どぶろっくの「歌ネタ」圧倒的に笑える仕掛け 「大胆な下ネタ」「繊細な構成」が常識を覆した

東洋経済オンライン / 2019年10月9日 18時0分

「キングオブコント2019」で優勝したお笑いコンビ「どぶろっく」の森慎太郎(左)と江口直人(右)(写真:日刊スポーツ)

お笑いファンの間では、お笑いコンテストにおける「予選と決勝の会場の温度差」がしばしば話題になる。「M-1グランプリ」「R-1ぐらんぷり」「キングオブコント」などの代表的なお笑いコンテストでは、準決勝までの予選はライブで行われ、決勝だけがテレビで生放送される。

準決勝までのライブに訪れるのは、自らチケットを予約して会場に足を運ぶ熱心なお笑いファンばかりだ。決勝ではテレビカメラが入っていて、誰もが知っている有名な芸人が審査員を務めているうえに、観客席にいるのも「テレビの観覧客」という感じなので、予選とは雰囲気が違う。芸人がお笑いコンテストで勝つためには、この違いを考慮して、どちらの観客にもウケるようなネタを作る必要がある。

■「かが屋」が決勝で苦戦した理由

9月21日に放送された「キングオブコント2019」(TBS系)では、この「準決勝と決勝の会場の温度差」が審査結果に露骨に表れていた。例えば、今回初めて決勝に進んだかが屋は、今のお笑いライブシーンで最も勢いのある芸人のうちの1組だった。準決勝では客席を占める熱心なお笑いファンが彼らに対して期待を寄せていたし、彼らの演じる演劇的なコントを素直に楽しんでいた。準決勝で大ウケした彼らは決勝に進むことができた。

だが、決勝ではかが屋は思うような結果を出すことができなかった。準決勝と客層が違う決勝の舞台では、ネタに勢いと爆発力が求められがちだ。かが屋の演じる高度に洗練された芝居のようなコントは、決勝では大きな笑いを取ることはできなかった。同じくライブシーンでは若手のエース的な存在である空気階段も、決勝では得点が伸びず下位に沈んだ。

そんな中で優勝を果たしたのは、歌ネタ芸人のどぶろっくだった。彼らは決勝の舞台で、下ネタ全開のミュージカル風のコントを披露して爆笑をさらった。

準決勝の会場では、ほかのどの芸人よりも彼らが圧倒的にウケていた。準決勝を一通り見終わった後、私が思ったのは「どぶろっくは決勝にさえ行ければぶっちぎりで優勝するだろう」ということだった。彼らのネタが決勝でも空気をつかんでウケるだろうというのは容易に想像できた。唯一の気がかりは、そもそもあのネタで決勝に行けるのだろうか、ということだった。

何でもありのライブと違って、さまざまな制約のあるテレビではきつい下ネタは放送できない。どぶろっくのネタがゴールデンタイムのテレビで放送できるものなのか、私には判断がつかなかった。

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