日銀は必ず動くはずだが、一体何ができるのか 手詰まり感極まる中「次の一手」はどうなる?

東洋経済オンライン / 2019年10月10日 7時50分

黒田日銀総裁は、会見で明らかに次は動くというメッセージを打ち出した(撮影:大澤誠)

日本銀行は9月19日、金融政策決定会合で金融政策の現状維持を決定したが、次回10月末の決定会合では「経済・物価動向を改めて点検していく」と声明文で明確に打ち出した。黒田東彦総裁は、会合後の記者会見でも「海外経済のリスクは高まっている」「前回の会合よりも(追加緩和に)前向きだ」と発言し、明らかに次は動くというメッセージを打ち出した。

もちろん、ECB(欧州中央銀行)、やアメリカのFEDが動く中で、日本だけが動かなければ、外国為替市場を中心に催促相場的な脅しの円高、株安が起こることを恐れての発言だったという解釈はありうる。だが、そういう効果を狙いつつも、あそこまではっきりと断言すれば次は動かないと、それこそ期待を膨らませた市場は荒れ狂うことになるのは黒田総裁もわかっているはず。だから、10月は必ず政策変更があるだろう。

■日銀は「4つの金融緩和手段」からどれを選択するのか

問題は、何をするか、である。何をするかはつねに問題なのだが、今回は何もすることがない、あるいは何もするべきではない、さらに言えば、やろうとしても何も実行可能なものがない、という大きな問題がある。だから「日銀はいったい次に何をしでかすのか?」が大問題になるのである。

公式見解は、日銀はつねに4つの金融緩和手段を持っている、ということになっている。黒田総裁も9月19日に繰り返し強調した。4つとは、改めて列挙すると、①短期金利の引き下げ、②長期金利の操作目標引き下げ、③資産買い入れ拡大、④マネタリーベースの拡大ペース加速、になる。

まず、④は絶対にない。2013年からの黒田緩和で最も激しくやり尽くしたものであり、かつ効果がないことが最もはっきりしたものだからだ。

次に③だが、これはありうるが、株式やJ-REITを日銀が買い集めることは、経済・社会にとっては最も副作用が大きい政策なので、望ましくない。日銀が上場株の多くを保有しすぎており、ガバナンスも問題になっている。

そもそも、中央銀行がリスク資産を持ち続けるということはありえず、国債のように満期もないことから、出口戦略が極めて難しいという問題がある。投資家という名の投機家たちはこれを求めているが、いつかは売却しなければならず、買えば上がると期待するなら、売る可能性は暴落をもたらすので、長期的には株式市場などにとっても非常に悪い政策である。

まさに、現在はこの罠にはまっており、買い入れは必要もないし、副作用はすでに大きいので、日銀としてもすぐにでもやめたいはずだ。だが、買い入れ量を減らす示唆だけで、短期的には暴落をもたらす恐れがあり、減らすことができないままでいる。したがって、これを増やす、というのはありえないだろう。

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