1933年築「日本橋高島屋」、重要文化財の建築美 店内の建築美を余すところなく撮影した

東洋経済オンライン / 2019年10月11日 7時50分

日本橋高島屋S.C.本館の中央通りに面した入り口(撮影:今井康一)

東京23区だけでも無数にある、名建築の数々。それらを360度カメラで撮影し、建築の持つストーリーとともに紹介する本連載。第16回の今回は、中央区にある日本橋高島屋S.C.本館(以下、日本橋高島屋)を訪れた。なお、外部配信先でお読みの場合、360度画像を閲覧できない場合があるので、その際は東洋経済オンライン内でお読みいただきたい。(文中敬称略)

■百貨店建築で初の重要文化財

日本橋と言えば、江戸からの伝統を受け継ぐ、東京でも最も格調の高い商業地。銀座には外国人観光客が多く訪れてにぎわい、かなり混雑しているが、日本橋は今もって落ち着いた雰囲気の高級感を漂わせている。

界隈には、日本銀行本館や、五街道の起点である日本橋などいくつもの国指定重要文化財の建造物があり、重厚で風格のある街並みが健在だ。そのなかでも百貨店建築で初の重要文化財に2009(平成21)年に指定されたのが、日本橋高島屋である。

中央通りに面した建物の外観は西洋式のルネサンス風に和風も取り入れた様式建築。1933(昭和8)年、大正末の関東大震災から東京が復興したモダン東京の時代に建てられたものだ。

設計を担当したのは建築家の高橋貞太郎。この連載でも紹介した駒場の前田侯爵邸(『駒場公園に建つ90年前の「華族の邸宅」を探訪』)や、神田錦町にある学士会館、現在の帝国ホテル本館などの作品があり、大正から昭和戦前戦後に活躍した。

しかし、この日本橋高島屋の本館は、その全体が高橋貞太郎の設計というわけではない。中央通り沿いの一区画を占めるデパートの建物は、その奥側の約3分の2が1952(昭和27)年以降に4回にわたって増築されたものなのだ。増築部の設計を担当したのは、建築家の村野藤吾だ。

村野藤吾は、赤坂離宮を迎賓館に改修した際の設計を担当したほか、都内では日生劇場、グランドプリンスホテル新高輪、目黒区役所庁舎(旧千代田生命本社)や、関西、全国に名作建築を多数残している、昭和の戦前戦後に活躍した名匠だ。

その、昭和戦後築の村野による増築部分までを含めて重要文化財に指定されているところが、この日本橋高島屋の特徴であり、見どころとなっている。

■正面入り口から店内に入ると・・・

まず、中央通り側の正面入り口から店内に入ると、2階まで吹き抜けのゆったりとした空間が広がる。これぞ「デパートというハレの場に来た」という感慨を得る伝統的な百貨店建築。

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