「神を祀る存在」天皇とローマ教皇の決定的違い 長い歴史の中で確立された天皇の歴史

東洋経済オンライン / 2019年10月13日 7時35分

『古事記』や『日本書紀』といった最古の歴史書から、天皇のルーツをひもときます(写真:うぞいけ/PIXTA)

新天皇陛下が即位され、令和の時代が幕を開けて、あっという間に5カ月が過ぎました。

初代の神武天皇から数えて、第126代天皇となります。天皇家の始祖は天照大神(アマテラスオオミカミ)とされます。天皇は神ではありませんが、「神の子孫」という神話を包摂する存在です。神話を信じるかどうかは信仰の問題ですが、神話のストーリーが天皇家発祥に結び付けられていること自体は事実です。

■天皇と日本神話

『古事記』によると、天照大神は数多くの自然神の中での最高神である太陽神です。天照大神の孫のニニギノミコトは大神に、地上を統治するように命令されて、降り立ちます。これを「天孫降臨」といいます。

そして、ニニギノミコトの曾孫が神武天皇です。神武天皇は紀元前660年に即位したとされますが、『古事記』や『日本書紀』を典拠とする、この時代の十数代の初期天皇は、実在が疑われています。天皇として実在したのは、紀元前97年に即位した第10代崇神天皇から、または、270年に即位した第15代応神天皇から、それよりももっと後の時代とする説があります。

初期天皇の実在・非実在を証明することは困難ですが、先祖が神様であるという文脈を天皇家が背負っていることは事実であり、その文脈(本当かどうかは別として)とともに、血統を守り、126代もの天皇を脈々と受け継いできました。天皇は人として生まれながら、神に最も近い存在と歴史上、見なされてきました。

天皇は神に国家の繁栄と国民の幸福を祈る最高祭祀者で、神と人間との接点に成りうる存在として信仰され、継承することが最重要課題とされます。

天皇即位後、はじめて行われる新嘗祭(にいなめさい)、継承の儀式が大嘗祭(だいじょうさい)です。11月14日の夜から明け方に執り行われる予定です。

灯明に照らされた神座のある内営に天皇だけが入り、皇祖の天照大神をはじめ神々に祈りを捧げます。その年に収穫された新穀を神々に供え、天皇自らも食べ、五穀豊穣と国家国民の安寧を祈ります。

このように、天照大神の霊統を継ぐと信仰される天皇は人間世界を代表して、神を祀る存在、つまり最高祭祀者、あるいは祭祀王と見なされます。

■天皇は本当に教皇に近い存在なのか?

最高祭祀者といえば、世界的に有名なのはローマ教皇。天皇はその立ち位置に近いとされることがあります。

ローマ教皇はカトリック教会の最高祭祀者である点で、確かに天皇と共通点があります。しかし、根本的に両者はその内実において、異なる存在です。

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