実に楽しい、お得に「寄り道」する旅のススメ JR西「関西1デイパス」は広範囲な周遊が可能

東洋経済オンライン / 2019年10月13日 7時10分

・東京 →(夜行バス)→ 徳島、徳島 → 高松→【岡山】→(寝台サンライズ)→東京
 切符:徳島 → 東京都区内

・東京 →(夜行バス)→ 鳥取、鳥取 →(因美線、津山線)→【岡山】→(寝台サンライズ)→ 東京
 切符:鳥取 → 東京都区内

・東京 →(寝台サンライズ)→ 出雲市 → 江津 →(三江線、福塩線、山陽本線)→ 倉敷 →【岡山】→(新幹線)→ 東京
 切符:東京都区内 → 倉敷 / 倉敷 → 東京都区内

3つ目の三江線は廃止されてしまったが、このルートは近隣ローカル線の木次線と芸備線に応用できる。

もう1つ、秋の旅として11月に東京駅発の夜行バスで高知に行き、四国側から向かった例を示す。目的地はカマタマーレ讃岐の本拠地、丸亀だったが、岡山を経由する。一筆書ききっぷは、高知から西周りで土讃線、予土線、予讃線で松山を経て丸亀を通り、瀬戸大橋線、宇野線で岡山を経て東京に向かう【高知→東京都区内】である。

高知には8時前に到着し、土讃線の須崎行き普通列車に乗車した。終点までは乗らず、ふと佐川駅で下車してみた。何が名所なのか知識があった訳ではない。私はジェフユナイテッド市原・千葉を応援しているのだが、Jリーグ史上初の高校生Jリーガーだった、当時ジェフの山口智選手(現ガンバ大阪ヘッドコーチ)が、佐川出身であることを思い出したからだった。

■冬季限定のしぼりたて原酒

佐川は思いがけずいいところであった。人けのない午前、細い小路の両側に、白い土壁の蔵や、瓦の切妻屋根に細い木枠窓の商家住宅が蕭条(しょうじょう)と連なっている。土佐藩の筆頭家老、深尾家の城下町であった。

何より司牡丹酒造の酒蔵があり、あちこちからもうもうと水蒸気が上がっている。ギャラリーがあったので入ってみると、

「列車でいらしたのですか? ならばぜひ試飲してください」

まだ午前中だが、断ることなどできるはずがない。ちょうど冬季限定の「しぼりたて原酒」が販売される時期で、迷わず購入してリュックに詰めた。

最後に立ち寄った寺院、青源寺は目を見張る紅葉に包まれていた。1603年に創建された禅寺で、庭園は土佐三名園の1つとのことであった。春は桜の名所でもあるらしい。静謐(せいひつ)な雰囲気の寺院と鮮やかな紅葉の組み合わせが、強く印象に残っている。

佐川からは窪川に出て、四万十鰻の昼食とした。予土線の車窓から四万十川の清流を眺めて愛媛に入り、伊予西条で宿泊し、翌日丸亀で試合を見たのだった。

こんなふうに、目的地とは関係ない場所に寄り道してみる方法もある。事例はすべて土日利用だが、金曜の晩から月曜の朝まで使えば相当な場所に行けるものだ。

そして何の前知識がなくても、駅を降りて歩いてみれば、その町の一端に触れることになり、興味が湧いてくる。町を後にしてから知ることもあり、迂闊だったと後悔するが、それは次回また訪れようと思う理由になる。

八田 裕之:週末旅行家

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