ゴルフクラブ「ゼクシオ」20年目で大刷新の理由 性能異なる2機種を展開、ブランドロゴも一新

東洋経済オンライン / 2019年10月13日 7時20分

住友ゴムは、イレブンとエックスの販売比率は8対2と想定する。少ないとはいえ、将来へ向けて重要になってくるのはエックスの成否だ。

■ゼクシオに立ちはだかるアメリカ4強

もっとも、エックスが厳しい戦いを強いられることは間違いない。若いゴルファー向けでは、キャロウェイ、テーラーメイド、タイトリスト、ピンといったアメリカの大手ブランドが激戦を繰り広げている。

キャロウェイはフィル・ミケルソン、テーラーメイドはタイガー・ウッズ、タイトリストはジョーダン・スピース、ピンはバッバ・ワトソンといった具合に、アメリカのプロゴルフツアーの有力選手を広告塔に、高性能なブランドイメージで若いゴルファーに大人気だ(ちなみにキャロウェイは石川遼プロ、ピンは今をときめく渋野日向子プロも使用する)。高齢者向けというイメージが強いゼクシオがここに立ち向かうのは容易ではない。

価格帯も異なる。ゼクシオのドライバーが希望小売価格8万円に対し、アメリカのブランドは総じて約1~2割安い(通常シャフトの場合)。しかも、アメリカブランドはおおむね1年でモデルチェンジを繰り返し、新モデルの投入に合わせて一気にマークダウン(値引き)して売り切る。価格競争力では太刀打ちできないのだ。

住友ゴムも松山英樹選手が使う「スリクソン」というアスリートラインを持っている。若いゴルファーでアスリート志向はスリクソン、エンジョイ志向はエックスで攻める作戦だが、気に入ったクラブならあまり価格を気にしない、エンジョイ志向のゴルファーがどの程度存在しているのか。そうしたゴルファーを作り出せるかも課題となる。

ゼクシオにとってもう1つの課題が海外開拓だ。7代目を出した2011年に29%だったゼクシオの海外売上比率は、2018年に48%まで上昇している。2014年からは世界最大のゴルフマーケットであるアメリカに本格参入し、北米の比率は2018年に9%まで拡大した。

アメリカはドライバーで299ドル、399ドル、499ドルの3つの価格帯が中心。ゼクシオは約650ドルと約3割高いが、こだわりゴルファーを中心に少しずつファンを増やしている。ゴルファーの高齢化はアメリカも日本と同様のため、まだ開拓余地がある。とはいえ、価格を考えると急成長は期待できない。

■日本メーカーの最後の砦を守れるのか

海外販売の拡大には逆風も吹く。実は日本以外でゼクシオが最も売れるのは韓国で、グローバル全体に占める売上比率は28%もある。その韓国では反日ムードが高まり、一部の日本製品はボイコットにあっている。

「(ゼクシオに関しては)大きな減少ではないが、影響はある。大変気になるところだ」(川松英明スポーツ事業本部長)

ブリヂストンやミズノ、ヤマハといった日本のゴルフメーカーはどこも苦戦している。その中で最も健闘しているのが住友ゴムだ。その象徴といえるゼクシオ。20年目を迎える王者の挑戦は、日本のゴルフメーカーの生き残りをかけた戦いになるかもしれない。

山田 雄大:東洋経済 記者

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