「自分は発達障害じゃない」と言い切れますか うつ病として治療されるケースが実際にある

東洋経済オンライン / 2019年10月14日 7時35分

発達障害の特徴や症状は多岐にわたり、「プロ」の医師ですら見落とすケースがあるのだといいます。さまざまなメディアに取り上げられている発達障害ですが、どの情報を信じたらよいのでしょうか?(写真:CORA/PIXTA)

さまざまなメディアにおいて、取り上げられる機会が増えている「発達障害」。「ADHD」や「アスペルガー症候群」「自閉症」などのワードを耳にしたことがある人は多いと思いますが、その事実(ファクト)についてどれくらい理解しているでしょうか。

発達障害の特徴や症状は多岐にわたり、心療内科や精神科など、医療の現場にいる「プロ」の医師ですら、発達障害を見落とすケースがあるのだといいます。私たちは自分自身が「発達障害ではない」と断言できるでしょうか?

精神科医の岩波明氏の最新刊『誤解だらけの発達障害』を一部抜粋して解説します。

■発達障害に関する情報は“玉石混交”

現在、発達障害についてはインターネット上においても、雑誌やテレビ番組などにおいても、多くのことが語られています。

こうした医療情報が身近に得られることは、全体としてはプラスの側面が大きいと思います。ただ一方で、それらの記事の内容が“玉石混交”である点は大きな問題です。

ネット情報の中には専門家によるしっかりしたアドバイスも存在していますが、逆に明らかに思い込みによって間違った方向に導きかねないコンテンツも少なくありません。さらに、発達障害の存在そのものを認めないという極端な意見もみられます。

治療についても同様です。薬物療法について、やみくもに攻撃しているものも存在していますし、薬の使用そのものを否定している意見もみられます。そうかと思うと、特定のサプリなどについて、特効薬であるかのように推奨している記事も存在しています。

こうした状況の中で、どの情報を信じたらよいのかという選択については、一般の人にとってはなかなか難しい点が多いと思います。

最近になり発達障害がクローズアップされるようになったのはどうしてでしょうか。

「発達障害は増えているのですか」と、聞かれることがあります。この点について明確なデータはありませんが、増えているのではなく、これまで周囲から認識されていなかった「発達障害」が次第に認識されるようになってきたというのが正しいように思います。

このような変化は、日本の学校や企業社会の変質と密接に関連していると考えられます。元来、日本社会は人と人との関係が稠密(ちゅうみつ)で、他人の「目」を気にする程度が大きいことが指摘されていました。

この日本の社会環境は、一般の人からは幾分ずれた特性をもっている発達障害の人には、そもそも必ずしも心地よいものとはいえませんでした。しかし、一方で日本社会は建前と本音を使い分ける傾向が強く、定型的なことがうまくできない発達障害の人たちも、集団の中では問題にされずスルーされることが多かったように思います。

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