ケンタッキーと大戸屋、「増税で混乱」の事情 テイクアウトは急増するが店内飲食客は激減

東洋経済オンライン / 2019年10月17日 8時0分

店内飲食と持ち帰りで税込み価格を統一したが、かえって誤解する客もいた(記者撮影)

10月1日の消費増税からおよそ半月が経過した。消費税率の引き上げは2014年4月以来5年半ぶり。今回は消費増税と軽減税率の導入、ポイント還元の3つが同時に実施されたことで、外食業界ではさまざまな混乱が生じた。

まず、異変が起きているのはショッピングモール内の店舗だ。外食産業の業界団体である日本フードサービス協会(JF)の髙岡慎一郎会長は、10月10日の記者会見で「ショッピングモール内の店舗で特に客数の落ち込みが大きい」と話した。

ショッピングモールは増税前の9月、日用品や高額品の駆け込み消費でにぎわった。が、10月に入ると一転、客数が激減した。ショッピングモール自体の集客力が低下したため、モール内の飲食店も足元は集客で苦しんでいるようだ。

■「洋麺屋 五右衛門」の客数は5%減少

「ドトールコーヒーショップ」や「洋麺屋 五右衛門」を展開するドトール・日レスホールディングスの星野正則社長も16日の決算説明会で、「消費増税後、ドトールコーヒーの客数は前年同月比で2~3%減なのに対し、ショッピングモール内の店舗(洋麺屋 五右衛門など)は5%ほど減少している」と説明した。

「しゃぶ菜」や「デザート王国」などショッピングモール内への出店が多いクリエイト・レストランツ・ホールディングス(HD)の岡本晴彦社長も「前回の消費増税時も同じ傾向が見られた。3カ月程度は客数が落ち込むと思う」と見通す。ショッピングモール内の飲食店は当面、がまんの時期になりそうだ。

ショッピングモールの運営方針が影響し、自社のポイント還元施策を一部変更した企業もある。「ケンタッキーフライドチキン」(日本KFCホールディングス)は今回の増税にあたり、原則としてキャッシュレス決済のポイント還元を実施していない。ただ、全店舗の1%強にあたる19店のみでポイント還元を実施している。

これらはすべてイオングループのモール内店舗だ。ポイント還元をしないのは「還元のメリットがレジなどの改修費用に見合わない」ためだとしていたが、モール内の19店に関してはイオン側がシステム投資を負担したため実施している。

ショッピングモール内のフードコートでは、軽減税率をめぐって混乱も起きている。タピオカ入りドリンクなどを販売するクリエイト・レストランツHDの「デザート王国」では、これまで5%ほどだったテイクアウトの割合が10月に入って約30%に急上昇した。

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