忍術道場の「武神館」が外国人を惹きつける理由 日本人が知らない「ふるさと」の魅力と聖地

東洋経済オンライン / 2019年10月18日 7時25分

外国人人気が高いのに日本人は知らない、そんな名所が国内にはたくさんあります(写真: Fast&Slow/PIXTA)

人口減少、少子高齢化が急速に進むニッポンで、ここのところ元気を盛り返す地方がある。きっかけは、年間3000万人を超す規模となった外国人旅行者たちによる「ふるさと」の魅力再発見だ。平成~令和版の新ディスカバー・ジャパンと言っても過言ではないだろう。こうした外国人旅行者(インバウンド)らの気づき・発見がもとでにぎわいを取り戻した自治体、また日本人よりも世界中の愛好家を惹きつけてやまない「ふるさと」の聖地もある。「日刊ゲンダイ」の経済記事を長年担当し、数字の裏の真相を見つめ続けてきた山田稔氏が著した『驚きの日本一が「ふるさと」にあった』から一部を抜粋し、再構成して紹介しよう。

■世界各地の猛者が集う「武術の聖地」

東京駅から電車で1時間あまり、しょうゆの街として有名な千葉県野田市。人口15万人ほどの地方都市の一角に、世界中の軍・警察関係者らが稽古に訪れる「武術の聖地」がある。古武術・忍術の道場「武神館」だ。宗家は初見良昭(はつみ まさあき)氏(87歳)。戸隠流忍術34代継承者で、「武神館九流派八法秘剣宗家」。世界が注目する「ニンジャマイスター」である。

初見氏の人生は武術一筋。柔道5段だった20代のころはアメリカ軍横田基地で柔道を教えていた。そんなころ「蒙古の虎」の異名を持っていた武術の達人・高松寿嗣氏と出会う。同氏に15年間教えを乞い、1970年代に野田市内に武神館を創設。海外での指導にも積極的に取り組み、いまでは50カ国以上に門下生がいる。その数は数十万人に及ぶ。

そんな武術のカリスマのもとに連日、世界各国から初見氏の教えを学びに弟子が馳せ参じているのである。各国の軍人、警察関係者など職業的に武術を必要とする人たちも多い。FBIやイギリスの特殊部隊のメンバーもその教えを受けてきたという。一方で、弁護士や医師、大学教授などのインテリ層や女性の姿もある。何が外国人たちを惹きつけるのか。武神館本部道場を訪ねてみた。 

日曜日の午前11時前、道場に着くと、すでに武神館の黒い道着を身に着けた門下生たちがウォームアップをしたり、談笑しながら稽古の開始を待っている。総勢50人ほど。外国人が約8割で女性の姿もチラホラ。みんな道場に足を踏み入れる前に一礼していく。

11時半、初見師が登場。道場はそれまでの和やかなムードから一気に凛とした雰囲気となる。初見師を先頭に、一同が正座して高松師の写真が飾られた神棚に向かって一礼してから稽古が始まった。

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