ベトナム産コーヒーをブランドに変える仕掛人 東京の有名店や大手通販が続々と取引を拡大

東洋経済オンライン / 2019年10月19日 7時50分

日本のコーヒーの国別輸入量でベトナム産は今や2位。しかもここへ来て 首位のブラジル産と肩を並べる「高級ブランド品」が出ている。躍進の理由は何か(写真:ベトナムのコーヒー農園「フューチャーコーヒーファーム」、写真:トイ・グエン氏)

インスタントや缶コーヒー向けが主用途だった「ベトナム産コーヒー」が、ブラジル産と肩を並べるほどの高級ブランドコーヒーに躍り出ようとしている――。今や、「コーヒーの街」として名高い東京・清澄白河にある有名コーヒー店のほか、製造過程や農園を厳選する大手通販会社フェリシモも、その味わいにすっかり魅了されているという。

■ベトナム産コーヒーは日本の輸入で2位に躍進

現在、ベトナムはブラジルに次ぐ世界のコーヒー生産大国で、日本の輸入量もここ8年程度は増加の一途にある。財務省の「貿易統計」によると、日本のコーヒー生豆の国別輸入量は2010年にブラジルからが12万3073トンで「断トツ」。2位はコロンビア(7万9060トン)で、ベトナム(5万4737トン)は、インドネシア(5万9068トン)に次ぐ4位だった。その後ベトナムからの輸入量は伸び続け、2018年には9万8513トンと1位のブラジル11万1955トンに次ぐ2位の輸入国となっている。

シェアで見ると、1991年にはわずか1%だったベトナム産コーヒーの輸入量比率は、1995年には10%、2018年には24.5%とほぼ4分の1にまで達した。

ここまで急増した背景には「ベトナム産コーヒーが安価で、コーヒーの天敵であるサビ病(葉などに鉄さびのような色の盛り上がった病斑をつくるカビの一種)にも強いロブスタ種が主体。ブラジルなど中南米産のアラビカ種がサビ病で不作に見舞われた年でも比較的安定した生産量が確保できる」という強みがあったからだと、全日本コーヒー協会の内藤明専務理事は説明する。

通常、アラビカ種の場合は豊作と不作を繰り返し、コーヒー相場も乱高下する。その点、ベトナム産は供給量が比較的安定しており、全日本コーヒー協会が算出した1キログラム当たりの輸入平均単価(2018年輸入分)も210円と、ブラジル産の319円、輸入量3位のコロンビアで364円などと比べ、3~4割程度も安いという実績を持つ。

つまり、ベトナム産コーヒーは輸入「量」ではブラジルに次ぐメジャーな地位にあるものの、「品質=ブランド力」ではマイナー商品から抜け切れなかった。それはなぜか――。

内藤専務理事は「ベトナム産の約95%を占めるロブスタ種は可溶性固形分が多く、豆が少量でも抽出しやすい。このため主な用途として、他国産とブレンドするインスタントコーヒーや缶コーヒーなどに使われてきたから」と話す。

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