都市高速道路の渋滞は、「渡り線」で解消するか 莫大な費用をかけずとも、利便性向上を狙う

東洋経済オンライン / 2019年10月20日 7時50分

渡り線の設置で都市高速道路の渋滞は解消するのか。写真は首都高速道路の渋滞の様子(撮影:今井康一)

道路の建設には莫大な費用がかかる。また、新路線の工事にはさまざまな困難が生じ、新東名高速道路の全線開通が当初予定の2020年度から2023年度へと大幅に延期されたほか、中部横断道の双葉ジャンクションと新清水ジャンクション間の全通予定がしばしば延期され、現時点で2020年度へと大きくずれ込んでいる。

そんな中、東名阪それぞれの都市高速道路で、新たに路線をつくるのではなく、既存の高速道路同士の間に短絡路を設けることで、所要時間の短縮や、渋滞を緩和させるプランが次々と実行に移されようとしている。

■阪神高速でまもなく開通する渡り線

阪神高速道路の大阪都心部や名古屋高速道路の都心部には環状線が設置されており、放射部から環状線に入ると基本的には時計回りの一方通行で走行することになる。したがって、ルートによっては、環状線をぐるりと大きくまわって走らないと目的地へのジャンクションにたどり着けないということになる。これは、内回り外回りの両方向で走行できる首都高速道路の都心部の環状線C1との大きな違いである。

こうした中、阪神高速道路は、神戸や関西空港方面からの車が走行する大阪港線が環状線に合流する西船場ジャンクションに北へ向かう渡り線を設ける工事が2020年1月末に完成すると発表した。

これにより、これまで環状線の南半分5.5㎞の走行を余儀なくされていた、大阪港線から池田方面へ向かう車両が、この部分を通らなくてもよくなり、当該車両の時間短縮のみならず、本来入らなくてもよい車が環状線の南側を通らずに済むことによって、渋滞が緩和される効果が期待されている。

名古屋高速でも、市内を東西に貫く東山線と環状線のジャンクションである丸田町JCTに直接南方向へ行ける渡り線を設ける構想が浮上しており、東山線から環状線南部に向かう車が環状線の北半分を走行する必要がなくなることが期待されている。

ただし、こちらは整備が検討され始めた状況で、整備までにはまだ時間がかかりそうだ。完成すれば、愛知県西部や三重県から知多半島・セントレア方面への時間短縮が期待できる。

■一方通行ならではのメリット

そもそも大阪や名古屋の都市高速道路の環状線が一方通行となっているのは、都市化が進んだ地域に道路をつくる際、限られた空間しかなかったことやジャンクション部分が非常に複雑になることなどから、両方向の道路の建設を断念したという経緯がある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング