NYダウは最高値更新後、暴落の可能性がある FRBの過剰金融緩和がもたらす大波乱に注意

東洋経済オンライン / 2019年10月22日 7時45分

10月29~30日のFOMCでは追加利下げが濃厚。その後のマーケットはどうなるのか(写真:AP/アフロ)

10月13日、米ワシントンDCで行われた閣僚級の貿易協議で、米中両国は部分的な合意を締結した。中国が400~500億ドルの農産物を購入、一方でアメリカは10月15日から予定していた30%の関税引き上げを見送るというのが主な内容で、一連の交渉で双方が初めて正式な合意を結ぶこととなった。

包括合意に向けた第1歩として、交渉の進展を前向きに評価する向きがあるのも事実だ。一方、アメリカはファーウェイへの制裁措置の緩和を見送っており、12月に予定されている関税引き上げに関する判断を保留するなど、中国に対する圧力を緩めていない。このことを理由に、交渉はやはり難航するとの見方もあり、今後については見通しも大きく割れているのが現状だろう。

ただ、正式な合意文書の作成に数週間を要する上、双方が署名しない限りは次の段階の交渉には進まないとしていることを考えれば、少なくとも足元の景気減速に関しては、すぐに止まることはなさそうだ。

■「新たなバブル発生」の懸念

一方、貿易交渉の影に隠れてそれほど目立つことはなかったが、もう一つ大きなサプライズがあったことも忘れてはならない。それは「9月に入ってアメリカ内のインフレ圧力が急速に弱まってきた」というマクロ環境の変化であり、これが新たな 「バブル」 を作り出す可能性が高いからだ。

サプライズの発端は、10月4日に発表された9月の雇用統計で、時間当たり賃金が前月比で0.04%低下と、0.3%の上昇としていた事前予想に反して僅かながらもマイナスとなったことにある。その後も物価指標の弱気サプライズは続き、8日に発表された生産者物価指数(PPI)は0.1%の上昇予想に対して0.3%の低下、10日の消費者物価指数(CPI)は前月比ほぼ横ばいと、マイナスとまではいかなかったものの、やはり0.1%の上昇としていた予想を下回る低い伸びにとどまった。変動の激しいエネルギーと食品を除いたコア指数に関しても、PPIのコアが前月比で0.3%のマイナス、CPIのコアが0.1%の上昇と、やはり予想よりも弱気の内容となった。

前回のコラム「サウジへの攻撃で「劇変」した原油市場の常識」では、エネルギー価格の上昇に伴い中長期的にインフレが進行する可能性を指摘していたが、これだけの一連の物価指標の低迷は大きなサプライズと言える。もっとも、これで将来的なインフレに対する懸念が後退したわけでは決してない。インフレ圧力の後退を受けて、米連邦準備制度理事会(FRB)の追加利下げに対するハードルが下がったことの意味は大きい。年末に向けて金融緩和がさらに進むことによって、短期的にせよ資産価格が上昇、それに伴い年明け以降にインフレが加速する可能性は、むしろ高まったと見ておくべきだろう。

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