カドカワが武蔵野線「東所沢」に拠点を置く背景 「ところざわサクラタウン」とはいったい何か

東洋経済オンライン / 2019年10月23日 7時0分

2020年7月にKADOKAWAが手がけている「ところざわサクラタウン」という拠点がオープンする。なぜ東所沢という地を選んだのだろうか? 写真はJR武蔵野線の東所沢駅(筆者撮影)

前回の記事(「再開発真っ只中『西武の城下町』所沢の栄枯盛衰」)の取材で所沢駅周辺を訪ね歩いて驚いたのは、その再開発の進展ぶりだった。1980年前後からベッドタウン化を進めてきた所沢は、世代交代の時期を過ぎ40年余りが経った。人口減少時代を迎えるなか、将来を見据えたまちづくりと新たな魅力づくりに真剣に取り組まなければならない状況に対峙しているようだ。

■開発は所沢駅周辺だけではない

その所沢市内で進んでいる再開発は、中心地である西武線の所沢駅周辺ばかりではない。

JR武蔵野線東所沢駅周辺でも、出版大手で総合メディア産業のKADOKAWAが「ところざわサクラタウン」という拠点を設け、そこをポップカルチャーの複合施設とし、同時に社員の働く場ともする施設を現在建設中なのだ。

2015年6月には、新規事業プロジェクトとして、この地に新製造・物流拠点、図書館・美術館・博物館を融合した文化コンプレックスとまちづくりの実現を目指す「クールジャパンフォレスト構想」を発表した。

当時は世間一般、そしてとくに出版業界人が、「大手のKADOKAWAが、都心から離れて埼玉・東所沢に移転」と、驚きのあまり大いにざわついたことを記憶している。

すでに出版不況が長期化しているなか、多くの業界人がこのニュースに驚き、今後の出版界の行方をどう見定めたらよいのか迷う声をあちこちで聞いたものだ。

その東所沢の「ところざわサクラタウン」とは実際どのようなプロジェクトなのか。

前回、所沢駅周辺を取材したその足で、東所沢の地を訪ね、まずはその建設現場を見に行ってみた。

所沢というと市内全体が西武グループの牙城というイメージがあるが、サクラタウン建設地である東所沢は西武線沿線ではなく、JR武蔵野線の駅である。

ここに西武所沢駅から鉄道でアクセスするのは案外面倒で、所沢駅からは西武バスに乗っていくのがいちばん便利なようだった。所沢駅東口からバスに揺られて約25分。東所沢駅前に着いて、そこからは徒歩で現地に向かうが、東所沢駅付近の所沢駅前とはまったく違う雰囲気にかなり戸惑った。

JR沿線なので、西武グループ色は皆無。駅前は商店もまばらで人通りも少ない。本当にこの先に「サクラタウン」の建設現場が実在するのだろうかといぶかしく思いながら、ロードサイド店が点々とする駅前通りを歩む。

■約10分で到着する

約10分で東所沢公園という鬱蒼とした木々に囲まれた公園に至ると、そこを抜けた先にいきなり巨大な「サクラタウン」の建設現場が現れ、意表をつかれた。

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