犬猫をたくさん飼った末に起きた「惨状」の数々 多頭飼育が崩壊した現場で何が起きているか

東洋経済オンライン / 2019年10月24日 7時20分

「寂しいから」という理由でペットを飼い、飼い主のエゴによってペットが犠牲になってしまう多頭飼育崩壊の悲惨な現場とは?(写真提供:まごのて)

まれに「犬や猫の多頭飼育が崩壊した」というニュースが流れることがある。

多くはブリーダーや動物園の経営が立ち行かなくなり、多くの犬や猫が犠牲になったというものだ。「胸が痛い」と感じる人もいれば、自分とは関係なく、どこか遠くの地域で起きている話だと思っているかもしれない。

現実には、自分には思いもよらない隣家で多頭飼育崩壊が起きていてもまったくおかしくない。

多頭飼育崩壊の現場をよく目にするのは、清掃業の人たちだ。

ゴミ屋敷、事故物件などの特殊な清掃を専門にする「まごのて」の佐々木久史社長に話を聞いた。

■動物虐待に等しいゴミ屋敷での多頭飼育の現場

「ゴミ屋敷でペットを飼っている人は意外と多いですね。ほとんどは猫です」

清掃現場ではゴミの間を猫が歩いていることは珍しくない。当然、排泄物の始末などはしていないので、部屋の至る所に糞や尿が落ちている。衛生面は最悪で、清掃員にとってはつらい仕事になる。

そもそも“部屋をキレイに保つ”という最低限の自分の世話ができないのに、ペットが飼えるわけがない。はっきり言って動物虐待だ。

「掃除をしていたらゴミの下からピーピーという音がずっと鳴ってることがありました。電子機器が鳴っているのかと思ったら、鳥かごがいくつも埋まっていました。なんと4羽の鳥がゴミの下で生きていました」

エサを与えるときは、ゴミの上から適当にまいていたという。周りに散らばった鳥のエサを目当てにゴキブリなどの虫が集まっていた。

これくらいのレベルのゴミ屋敷は珍しくない。多頭飼育崩壊の現場は熟練のスタッフでも心が折れそうになるほど、酸鼻を極めるものだという。

「多頭飼育崩壊の部屋の清掃依頼は平均すると月に1件くらいですね。ただ、重なる月は5件を超えることもあります。依頼数は、徐々に増えていると実感しています。

例えば代表的な例として、猫2~30匹、ウサギ数十羽を団地で飼っていた部屋の清掃がありました」

この現場には著者(村田らむ)も同行した。

エレベーターのない4階建て公営団地の4階が現場だった。

もちろんペットの飼育は禁止されている。すでに住人は引っ越しをすませ、ペットも運び出された後だと聞いていた。

■汚物にまみれた部屋

室内に入るとまず、排泄物の臭いが強く鼻をついた。とてもきついアンモニア臭だった。

猫は放し飼いにされていたらしく、壁やふすまはビリビリに破られていた。

床にはおびただしい数のゴミ袋が放置されている。中に入っているのは猫やウサギの糞などが多い。家財道具も残っていたが、どれも汚物で汚れていた。

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