北陸新幹線「3分の1水没」、なぜ本数確保できた? 当面は支障なくても、年末年始はどうなる

東洋経済オンライン / 2019年10月25日 8時20分

航空会社は羽田と北陸を結ぶ便を大型機にしたり、臨時便を運航するなどして対応した。日本航空(JAL)は羽田―小松間で16日から26日まで臨時便を運行、機材も大型化した。全日本空輸(ANA)も羽田―小松間、羽田―富山間の機材を大型に変更したほか、臨時便を運航した。

このほか、富山―東京間の高速バスが増発されたほか、富山―名古屋間の高速バスと東海道新幹線を乗り継ぐルートなども利用された。各交通機関の努力により、北陸新幹線が不通の間も北陸と首都圏間の移動手段はさまざまなルートで維持された。

だが、12両編成、座席定員だけで924名という北陸新幹線の輸送力は圧倒的だ。北陸と首都圏を最速2時間半で結ぶ大動脈の1日も早い全線再開を、多くの人が待ち望んでいた。

25日からの暫定ダイヤは、東京―長野間の「あさま」を除けば、ほぼ通常ダイヤに近い本数を確保した。

東京―金沢間を結ぶ列車は最速の「かがやき」が上り・下り各9本(通常10本)、「はくたか」が上り・下り各14本(通常と同じ)。富山―金沢間の「つるぎ」は上り17本(通常18本)・下り18本(通常と同じ)だ。

一方、東京―長野間の「あさま」は上り12本・下り11本(通常はどちらも17本)と減るものの、代わりに「はくたか」の停車駅を増やすことでフォローする。また、東京―高崎間では上越新幹線「とき」が本庄早稲田に臨時停車するほか、臨時「たにがわ」を運行することで、「あさま」の減便により停車本数が減る駅をカバーする。

本来のダイヤと比べると、「はくたか」は停車駅が増えて所要時間が延びるほか、臨時(11月30日以降の運転計画が未定)の「はくたか」は通過駅が1つだけとなっているが、本数については東京―金沢間ではほぼ通常通りを確保している。

「全体の本数は通常の8割」と事前に報じられていたものの、「あさま」を減らす一方で「はくたか」の停車駅を増やして対処しており、利用者に極力影響を及ぼさないための工夫が見られるダイヤだ。

■年末年始の繁忙期はどうなるか

ただ、これ以上列車を運行するには使える車両の数が足りず、年末年始の繁忙期の輸送力をどうするかが課題となる。

これまで通りの本数を確保するには車両を早急に投入することが必要だが、新造する場合は最短でも1年以上かかることが見込まれる。今度の年末年始の帰省シーズンは、需要に応えられない可能性も十分考えられる。

さらに、通常通りの運行のためには浸水した長野新幹線車両センターの施設復旧なども必要だ。

そして、北陸新幹線の施設復旧を進めるとともに、これから課題となってくるのが車両基地の浸水に備えて列車を待避させるなどの対策を考えることだ。

新幹線がさらに安定した交通機関へと進化するためには、今回の被害による教訓を今後に生かすことが重要となってくるだろう。

小林 拓矢:フリーライター

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