安易にリツイートする人が抱える「責任の重さ」 知らずと名誉毀損リスクにさらされることも

東洋経済オンライン / 2019年10月28日 7時0分

信用のできる情報かどうか。「拡散」する前に一呼吸置く必要がある(写真:kikuo / PIXTA)

ツイッターのタイムラインに流れてきたツイートをリツイートして拡散。本人のツイートではないのに、その行為だけで名誉毀損が認められる――。

■リツイートで名誉毀損の損害賠償判決が

元大阪府知事の橋下徹氏がジャーナリストの岩上安身氏に対し、ツイッターの「リツイート」で名誉を傷つけられたとして、大阪地裁に名誉毀損による損害賠償を求めていた裁判の判決が下されたのは、今年9月中旬。大阪地裁は橋下氏の訴えを認め、岩上氏に33万円の支払いを命じた。

2017年10月、「橋下知事(当時)が幹部職員を自殺に追い込んだ」という趣旨で投稿した第三者のツイートを、岩上氏がリツイート(その後すぐ削除)したのが、橋下氏が名誉毀損を訴えた理由だ。大阪地裁はリツイートを「投稿に賛同する表現行為」として名誉毀損に当たると判断した。過去の誹謗中傷事件では、本人の発言や書き込みが名誉毀損として裁かれた例は多いものの、単なるリツイートが問題になったことはなかった。

リツイートとは、ツイッターで他のユーザーがしたツイートを、自分のフォロワーのタイムラインに届けることをいう。フェイスブックではシェアというが、基本的な考え方は同じである。大阪地裁の判決に対し、ネットでは驚きの声が多数寄せられた。というのもリツイートやシェアといった「拡散」はSNSの基本的な機能であり、誰もが普通に使っているからだ。

岩上氏は今回の判決を不当として控訴。法的な最終決着は上級裁判所の判断に委ねられ、予断を許さない。ただ、今回の判決によって、SNSの基本である共感の意思表示だけで法的な責任を伴う可能性が誰にもありうることを示した点は、SNSユーザーとして注意する必要がある。

多くのSNSユーザーは、あまり深く考えずにフェイスブックでシェア、ツイッターでリツイートをしている。タイムラインに流れてきた投稿記事に、直感的に反応するというのは、よくあることだ。

■フォロワーが多い人はリツイートも気軽にできなくなる

問題は、その投稿内容がどういう類のものか、よく考えずに拡散してしまうことだろう。多くの人のSNSのタイムラインには、たくさんの投稿が目まぐるしく流れてくる。それをスクロールしながら、半ば条件反射的にクリックをしている人は少なくない。

今回の判決でどうしても違和感があるのは、リツイートを「賛同した行為」として事実認定した点だ。岩上氏のフォロワーが18万人いるというのも、今回の判決に影響しているかもしれない。ただ、今回の岩上氏のリツイートが賛同を表したものと裁判所が判断したとしても、リツイート自体を「賛同した行為」とひとくくりにできるのかについても疑問は残る。

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