中国の新車市場「急減速」の中で分かれる明暗 市場の9割を占めるセダンやSUVの苦戦続く

東洋経済オンライン / 2019年11月1日 7時35分

中国で販売好調なトヨタのセダン「レビン」(筆者撮影)

今、中国の自動車市場が大きく変化している。2019年1~9月の中国新車販売台数は前年同期比10.3%減で着地。通年では前年比約8%減の2580万台にとどまる見通しだ。

右肩上がりの成長を続け、2017年に新車販売2887万台を記録した中国自動車市場だったが、急ブレーキがかかり、28年ぶりにマイナス成長となったのが2018年のこと。2年連続の減速からは、中国自動車市場の高度成長期が終焉を迎えたことを示唆している、と見る向きもある。

市場の変調は、自動車メーカーの中国事業に影響を与え始めており、今後一層激化すると予想される競争に各社は身構える。

■新車販売低迷の中、高級車が好調

今年1~9月の分野別新車販売では、乗用車市場全体の9割を占めるセダンとSUVがそれぞれ前年同期比12.0%減、9.3%減。単月別で乗用車市場は15カ月連続の前年割れとなった。

電気自動車(EV)やプラグインハイブリット車(PHV)が中心となる新エネルギー車市場では販売台数が前年同期比20.8%増を維持したものの、補助金減額の影響を受け急減速している。今年6月から中国政府はNEV補助金額を前年比約5割減少し、地方政府の補助金制度も廃止した。これを受け7月以降の販売台数が3カ月連続のマイナス成長となった。

新車販売全体が低迷している中、唯一好調を維持してきたのは高級車だ。高級車市場は1~9月に、前年同期比9%増の220万台、乗用車市場全体の14%を占めるようになった。中国では所得水準の向上に伴い消費者のブランド志向が強まり、クルマ消費の高度化が進展する。とくに、高級車は個人のステータスを反映するという消費理念の存在が高級車ブランドの好調を下支えする。

消費マインドの低下が中国の新車市場に大きな影響を与えている。中国経済状況の変化、米中貿易摩擦が内外要因として挙げられる。

中国では金融規制の強化によるシャドーバンキングの縮小や、地方政府のインフラ投資の抑制によって、多くのインフラ整備関連投資が停止し、民営企業も深刻な資金繰り難に陥った。株価の低迷や人民元安に加え、企業業績の低迷および消費者心理の悪化が、家計支出に占める割合が大きいクルマの購入を抑制した。2019年9月の中国小売総額を見ると、全体は9.2%増であったのに対し、自動車関連は前年同期比7.1%減となった。

一方、中国主要70都市の不動産価格は上昇し続け、とくに自動車販売を牽引する沿海部の中小都市や中西部の都市で上昇が際立つ。引締め政策を実施した北京、上海、広州、深圳など4大都市の新築住宅価格は前年比4%上昇にとどまっているものの、その他66都市は前年比9%の上昇を見せた。

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