ネットがあれば新聞不要と思う人に欠けた視点 「新聞離れ」が進んだアメリカはどうなったか

東洋経済オンライン / 2019年11月8日 7時35分

インターネットやテレビから得られる情報で事足りているかもしれないが、だからといって新聞は必要ないと言い切れるでしょうか?(写真:アオサン/PIXTA)

「新聞を読んだほうがいいよ」とすすめると、こんな声が聞こえてきそうです。「ニュースはネットで読むから、新聞なんていらない」「テレビで見ればいいじゃん」――。インターネットの普及で「新聞を購読する必要があるのか」という疑問が拡大しました。それでも新聞は必要だ、と私は思います。

とはいえ、新聞社側にも問題があります。記者たちが間違ったエリート意識を持ち、世の中の常識から乖離したり、専門用語を駆使して読者が理解できない記事を書いたり、間違ったことを報じても間違いを認めなかったり。そんなことを続けていたら、新聞が読者から見放されるのは当然のことでしょう。拙著『考える力と情報力が身につく 新聞の読み方』から一部抜粋し、なぜ新聞が必要なのかを解説します。

■多くの記事が無料で公開されている

確かに今どき、どの新聞にもネット版があり、そこでは多くの記事が無料で公開されています。「Yahoo!」などのポータルサイトにも、注目度の高いニュースが随時掲載されています。ニュースをまとめて読める便利なアプリをスマートフォンにインストールしてある人も多いでしょう。

朝のニュース番組やワイドショーでは、新聞各紙の紙面をずらりと並べて、記事を紹介しています。自分で新聞を購読することなく、毎日、新聞の中身をざっくり知ることができます。

しかし、だからといって、「新聞なんていらない」「新聞社なんていらない」ということにはなりません。

ニュースは記者が取材し、記事を執筆して初めて生まれます。新聞社は多くの記者を抱え、直接情報源に取材して記事にします。この第一報がなければ、ネットに記事が転載されることもありません。

新聞の存在意義の1つは、この「取材」にあります。長い時間と手間のかかる取材をする記者がいるからこそ、記事が出来上がるのです。テレビ局では、NHKだけが多くの記者を抱えています。民放テレビにも報道部門がありますが、記者の数は本当に少ないのです。

もし本当に新聞がなくなったら、第一報がなくなり、ネットに新聞社から配信される記事もなくなってしまいます。ネットメディアには転載するニュースがなくなってしまいます。

最近はネット専業のニュースメディアも登場しています。おやっと思うような新鮮な視点の記事も配信されます。その一方で、「テレビのワイドショーでのタレントの発言が炎上した」という類のニュースが激増しています。ネットニュースのメディアは取材コストをかけるだけの経営的な余裕がありません。

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