桜を見る会中止、安倍首相「逃げ恥作戦」の成否 一強政権に追い打ち、浮上する年明け解散説

東洋経済オンライン / 2019年11月15日 7時5分

今年4月に開催された「桜を見る会」で招待客と記念撮影する安倍晋三首相(中央、写真:時事通信)

11月20日に在任期間が史上最長となる安倍晋三首相が、栄誉を前に窮地に追い込まれている。「政治とカネ」絡みでの主要2閣僚連続辞任、大学入試共通テストでの英語民間試験活用の実施見送りに加え、来年度の「桜を見る会」の中止を余儀なくされたからだ。

この一連の騒動に統一会派を結成した主要野党は勢いづき、臨時国会の審議遅延で、政府与党が最優先課題とする日米新貿易協定の会期内承認も危うくなっている。相次ぐ政権スキャンダルを「即時消火という逃げ恥作戦」(自民幹部)で窮地脱出を狙うが、与党内には「いよいよ終わりの始まり」(閣僚経験者)との不安の声も広がっている。

■桜を見る会は「公的行事の私物化」

菅義偉官房長官は13日午後の記者会見で、毎年4月に行われてきた首相主催の桜を見る会を来年度は中止すると発表した。首相の後援会関係者が多数招待されていることや、「税金の無駄遣い」などの国民的批判を受けた措置だ。

菅氏は会見で、内閣官房事務局が首相官邸や与党に招待者の推薦依頼を行っていたことを認め、中止の理由を「予算や招待人数も含めて、全般的な見直しを行うため」と説明した。安倍首相も同日夜、記者団に「私の判断で中止することにした」と憮然とした表情で語った。

今回の桜を見る会をめぐる騒動は、11月8日の参院予算委員会の集中審議の中で、共産党議員が「招待者に多数の首相後援会関係者が含まれている。税金で運営されている公的行事の私物化ではないか」と、具体的資料も提示して追及したのが発端だ。

安倍首相は「私は主催者としてあいさつや招待者の接遇は行うが、招待者の取りまとめなどには関与していない」と釈明したが、首相の事務所名が明記された参加者募集文書を有権者へ配布したことも判明し、野党側は「首相の関与は明らか、公選法違反の疑いもあり、内閣総辞職にも値する事態だ」(立憲民主党幹部)と攻勢を強めた。

そもそもこの会は、1952年に当時の吉田茂内閣が始めたものだ。それ以来、国会議員や都道府県知事、財界幹部、各国大公使に芸能・スポーツの有名人なども加えた「各界の代表者」を招き、首相を中心に歓談する公的行事として定例化してきた。

ただ、第2次安倍政権発足以降、招待者約1万人、関連予算約1700万円という「最近の原則」(政府筋)を無視するかのように、年々招待者数と関連経費が増大。今年4月は参加者約1万8200人、経費約5500万円に膨らんでいた。

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