NHK「受信料7000億円」肥大化に募る厳しい視線 受信料徴収に巨額経費が使われる深刻な矛盾

東洋経済オンライン / 2019年11月18日 7時0分

公共事業としての存在意義が問われている(デザイン:新藤 真実、撮影:尾形 文繁)

「既存業務全体の見直しを徹底的に進め、受信料額の適正な水準を含めた受信料のあり方について、引き続き検討を行うことが必要」

11月8日、高市早苗・総務相は閣議後の記者会見でそう語った。NHKが提出したテレビ番組をインターネットで常時同時配信するための実施基準案について、監督官庁の総務省はこの日、再検討を要請。並行して3つの分野について改革を進めるべきだと強調した。

その1つが冒頭の発言にある受信料だ。総務省は「国民・視聴者にとって納得感のあるものとしていく必要があり、受信料の公平負担を徹底するほか、業務の合理化・効率化を進め、その利益を国民・視聴者に適切に還元していくといった取り組みが強く求められる」としている。

■受信料収入は5年連続過去最高に

『週刊東洋経済』は11月18日発売号で「NHKの正体」を特集。肥大化が進む公共放送を総点検している。

「NHKの業務全体を肥大化させない」と高市氏は言う。総務省のトップがクギを刺さなければならないほど、NHKの規模は拡大している。受信料収入は5年連続で過去最高を更新し、2018年度は初めて7000億円を超えた。

規模拡大を支えるのは受信料の支払率の上昇だ。2018年度末の推計支払率は81.2%と、この10年で10ポイント伸びた。「公平な負担」を掲げて受信料の徴収を積極的に進めており、テレビの設置者が契約を拒めば、法的手段も辞さない。2006年から民事手続きによる支払督促の申し立てを実施。2011年からは未契約世帯に対して民事訴訟にも踏み切っている。

さらに追い風も吹く。2017年12月、テレビ設置者にNHKとの受信契約を義務づける放送法の規定について、最高裁判所は合憲と判断。その後、一般世帯や事業所から自主的な契約の申し出が相次いだ。

NHKの振る舞いに対する不満は大きい。それが顕在化したのが、元NHK職員の立花孝志党首率いる「NHKから国民を守る党(N国党)」の躍進だ。「NHKをぶっ壊す!」と連呼して脚光を浴び、今年7月の参議院選挙では比例代表で90万票以上を獲得、1議席を確保した。選挙区でも得票率2%を達成し、政治資金規正法、政党助成法が定める政党要件を満たした。

受信料に対する不満は、これまでもNHKについて回っていた。2004年に紅白歌合戦の担当プロデューサーによる制作費の不正支出が発覚。受信料の不払いが広がり、受信料収入は1年で400億円近く減少し、支払率も70%を切った。これを機にNHKのあり方を見直す議論が始まった。

■2012年度に初の値下げ

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