コクヨを激怒させたぺんてる「密告書」の全内容 提携協議から一転して敵対的買収に発展

東洋経済オンライン / 2019年11月20日 14時0分

「コクヨvs.ぺんてる」の構図が浮き彫りになった(写真上:今井康一、写真下:記者撮影)

文具業界最大手のコクヨは11月15日、筆記具4位・ぺんてるの株の過半数を取得し子会社化すると発表した。コクヨはぺんてる株の約38%を保有しているが、1カ月後の12月15日までに、ぺんてるの既存株主から1株3500円で買い取り、議決権比率を50%超にまで引き上げる方針だ。費用は約38億円を見込む。

ぺんてるは即日、「コクヨの一方的かつ強圧的な当社の子会社化方針に対し強く抗議します」というリリースを出し、コクヨによる買収に徹底抗戦する構えを見せた。

■食い違う両社の主張

ことが複雑なため、時計の針を半年ほど巻き戻す。

コクヨは5月、ぺんてるの筆頭株主だった投資会社が運営するファンドに出資することで、ぺんてる株を間接保有した。ぺんてるの和田優社長は当時、社員に「青天の霹靂だ」と述べ、投資会社とコクヨに反発する意思を見せた。

だがその後、業務提携に向けた協議や互いの工場視察などを重ね、9月にはコクヨが株を直接保有することを容認。コクヨは投資会社からぺんてる株を取得し、直接保有に切り替えた。コクヨが名実ともに、ぺんてるの筆頭株主になったのだ。

両社は12月上旬にも業務提携を発表することを目指していた。それがここにきて、コクヨが「一方的かつ強圧的」にぺんてるを子会社化すると発表したのは、なぜなのか。

ぺんてるは先のリリースで「(コクヨの発表は)当社に対し一切の相談や協議なく行われた」と抗弁したが、コクヨが明らかにしたこれまでの経緯、事実関係は、ぺんてるの説明とは大きく食い違う。

コクヨが会見やリリースで明らかにしたところによれば、ぺんてるは海外事業の提携については継続して協議していたものの、国内事業の提携協議については一転、消極的になった。コクヨは会計監査上、ぺんてるに出資したことを裏付ける資料が必要となったため、ぺんてる経営陣に株主名簿の開示を求めたが、これにもぺんてるは応諾しなかった。

両社にギクシャクした空気が流れ始めていた10月16日、コクヨ代表取締役宛てに、差出人不明の封書が送られてきた。「K社」による「PE社」の株式過半数取得を阻止するためとして、「PL社」が「PE社」の株式を取得すること、すなわち「PL社」と「PE社」が資本提携するのが望ましい旨が記されていた。ぺんてるの「内部文書」だった。

10月29日には2通目の封書が届く。やはり差出人不明で、そこには「PE社」と「PL社」の資本提携の具体的なスケジュールが記されていた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング