日本企業が米国企業に絶対勝てない最大理由 トヨタを超えたい企業はサードドアを開け

東洋経済オンライン / 2019年11月22日 7時50分

「サードドア」的考え方は人生だけでなく経営にも示唆を与えてくれる(写真:cherezoff/PIXTA)

発売からたちまち12万部突破のベストセラーとなった、アレックス・バナヤン著『サードドア 精神的資産のふやし方』。
「人も企業も、失敗を重ね、課題設定能力を鍛えなければ前進できません」。高橋亀吉賞受賞作『良質な社会と自己訂正能力』やベストセラー『中小企業新時代』などで著名な中沢孝夫・福井県立大学名誉教授はそう語る。高校卒業後、26年間働いたのちに45歳で大学進学、経営学への道を切り拓いた中沢氏が、前回のサードドア的人生論(「バカと思い込みの強い人」が世の中を変える)に続き、サードドア的経営論を語る。

■中小企業の採用は「社長力」がカギ

『サードドア』では、主人公のアレックス・バナヤンが、ザッポス社のトニー・シェイに「1日だけザッポスのCEOになりたい」と頼み、実際に2日間にわたってトニーの影になって行動を共にするという話があります。この部分は、まるで日本の中小企業の採用の仕方と同じだと思い、かなり面白く読みました。

中小企業で採用がうまくいくのは社長力があるからなんです。うまくいっている中小企業は、どうしても欲しい学生を見つけると、インターンに来させます。そして、まずは社長付きをさせるんですよ。朝から晩まで社長と一緒に行動して、社長とは、会社とは、どんなものなのかを体験させる。

そしてね、必ずとんでもなく立派なステーキハウスなんかに連れて行って、「偉くなるとこういうことができるんだぞ。まだこんなものは食ったことがないだろう?」と学生に食べさせる。で、社長付きが終わると、次は営業などの部署に行かせて、コーチングが得意な先輩を付けて現場の仕事を教えます。

ところが、ここでは社長のようにステーキは食べさせてもらえません。連れて行ってもらえるのはラーメンかうどん。最終日にようやく焼き鳥屋という感じでね。だけど、そういうふうに影として一緒に歩くと、その会社の仕事や人間関係がよく見える。こうするとかなりの高確率で採用できるのです。

だから、トニー・シェイの話を読んで、やっぱりうまいなあと思いましたね。ただ、ザッポスの社員たちはそんなアレックスをうらやましがるものの、自分も社長の影になりたいと手を挙げる人はいない。そこが『サードドア』的な視点のある人とそうでない人の違いでもあります。

その夜遅くに、僕はトニーの元へ行き、別れを告げて、2日間のお礼を言った。「変な質問だと思うかもしれませんが」と僕は聞いた。

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