いきなり!ステーキ、急失速に見た積極出店の罠 マイナス続く既存店売上高、見えない打開策

東洋経済オンライン / 2019年12月4日 7時10分

既存店売り上げのマイナスが続く「いきなり!ステーキ」。運営会社ペッパーフードサービスの業績も厳しい状況だ(記者撮影)

急拡大から一転、“急ブレーキ”がかかっている――。

2013年12月の初出店以来、分厚いステーキを立ち食いするスタイルが人気で急拡大してきた「いきなり!ステーキ」。肉をオーダーカットするスタイルを武器に、高い原価率ながら、狭い店舗で顧客の回転数を上げることで、利益を確保するビジネスモデルで成長を続けてきた。

肉ブームに乗り、2017年ごろにはバブルとも言えるほどには行列を作る姿が都心のあちこちで見かけられた。運営会社であるペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長は「回転寿司のように『いきなり!ステーキ』も文化になる」と公言し、郊外のロードサイドにも数多く出店した。

実際、2014年末に30店だった店舗数は、国内外で2015年末に77店、2016年末に115店、2017年末に188店、2018年末に397店と急速に拡大。2018年11月には全都道府県への出店を達成した。飽くなき出店意欲は日本にとどまらず、2017年2月にはアメリカに進出し、2018年9月に現地のナスダックに上場も果たした。

■直近10月は既存店売上高が41%減

破竹の勢いで成長を続けてきたいきなり!ステーキだったが、現在はその行く末に黄色信号が灯っている。

2018年4月に前年同月比でマイナスに転じた既存店売上高はその後も右肩下がりを続け、2019年10月には前年同月比41.4%減にまで至った(上図)。2018年のときに、すでに既存店売上高は前年を下回って推移していたことから、2019年の既存店動向は非常に厳しいと言える。

既存店売上高の急激な悪化に伴い、ペッパーフードサービスでは期初計画の目算が大きく外れ、業績が急速に悪化している。

2019年2月に発表された2019年12月期の当初の計画では、売上高が935億円(前期比47.3%増)、営業利益55.9億円(同44.8%増)と、大幅な増収増益を見込んでいた。それが第3四半期決算を発表した2019年11月には、売上高は665億円(前期比4.8%増)、営業損益に至っては7.3億円の赤字(前期は38.6億円の黒字)に転落する見通しを発表した。

出店スピードも失速している。当初は2019年に210店を出店する計画だったが、2019年8月時点で出店計画を115に縮小。2019年10月時点で、いきなり!ステーキは国内で487店舗にとどまっている。

2017年に進出したアメリカでの事業も失敗し、2019年に11店舗のうち7店舗で退店、2店舗はペッパーランチに業態転換。7月にはナスダックの上場も廃止した。

■不十分だった商圏調査

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