時間のムダ!上司に出す「日報」の致命的な欠点 社員の「やる気」を引き出せないのが問題だ

東洋経済オンライン / 2019年12月5日 7時40分

仕事をもっと効率的に、目標達成につながる日報・週報の活用法とは?(写真:CORA/PIXTA)

多くの会社では、日報や週報をマネジメントツールとして使っていると思います。あらかじめ「いつ、何をやるか」という計画を立て、これを日々チェックして進捗を管理しているのではないでしょうか。

たいていの場合、「目標達成度」「作業実績」「反省」「改善策」などを記入するようになっています。日報・週報は社員個人のセルフマネジメントに役立つだけでなく組織の中で共有することで、「誰が何を行っているか」がわかる優れもの。確実に計画を実践するためには便利なツールといえます。

ところが、このマネジメント手法には、大きな欠点があります。それは、「やること」を管理することばかりに主眼を置きすぎて、社員の「やる気」に対する考えが足りないことです。

拙著『科学的にラクして達成する技術』でも詳しく解説していますが、結論から言えば、ただ日報を書くだけでは、モチベーションが上がらないのです。「誰かに向けて書くこと」を前提としているため、自分の内面からの意欲が湧き上がりづらいからです。

■日報・週報の「落とし穴」

心理学では、目標に向かって行動を前向きに喚起することを「動機づけ」と呼びますが、例えば給料などの外的な報酬による「外発的動機づけ」に対して、自分の内面から意欲(やる気)が湧き上がることを「内発的動機づけ」と言います。

人は機械ではなく「感情」の動物です。いくら「外発的動機づけ」を働きかけても、動かないものは動きません。または、最初だけは動いても、すぐに止まってしまいます。目標達成に向けて行動を続ける原動力としては、内から湧き上がる意欲=「内発的動機づけ」に勝るものはありません。「内発的動機づけ」ができれば、意欲が自然に湧いてくるので、肩に力が入らず、主体的かつラクに目標を達成できます。

こうした観点で見ると、「できなかったことを反省し、原因を考え、改善策を書く」という日報・週報の手法は、計画を確実に実践させるための管理手法としてはよいのですが、社員に「主体性」を発揮させるためのツールとしては適切とはいえません。ともすると、改善策もろくに考えられず、決められたことを続けるだけの「受け身の態度」を助長するツールになってしまっている場合もあるのです。

考えてみれば、日報・週報は、「報」がついているので、誰かに向かって「報告」する道具であり、通常の報告相手は上司でしょう。要は「上司に向けて」書いているのです。自分を評価する上司に向けて書くということは、ある程度「取りつくろってしまう」ことは避けられません。ありもしないことをよく書こうとすることは論外ですが、たとえ悪気がなくても、無意識に格好をつけた文章になりがちです。

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