京都の「民泊トラブル激増」に苦しむ市民の怒り マンション共有部分にゴミが散乱することも

東洋経済オンライン / 2019年12月7日 18時0分

「空前の民泊バブル」が招いた、京都の地元住民を悩ますトラブルとは?(写真:pigphoto/iStock)

ここ数年で外国人観光客が激増し、それに伴いホテルや簡易宿泊所の建設ラッシュが続いた京都市。建物の老朽化や空き家問題が解消され、一見「街に活気が戻ってよかった」と見えるかもしれないが、事態はそう単純ではなかった。「空前の民泊バブル」が招いた、地元住民を悩ますトラブルとは?  社会学者の中井治郎氏による、京都を襲う「観光公害の今」を明らかにした新書『パンクする京都~オーバーツーリズムと戦う観光都市~』から一部抜粋して、お届けする。

かつて、他所からくる友人に「何か京都のおすすめはない?」と聞かれると、ものぐさな僕はいつも決まって2つの名所をあげていた。それは “縁切り神社”として有名な安井金比羅宮で生々しい怨嗟に触れて人間の業を味わうか、または、宵闇の伏見稲荷大社・千本鳥居で不帰の心細さを味わうか、であった。

これらはアクセス至便(バスに乗らなくても行ける)である割に金閣寺や清水寺ほど定番化しておらず、しかし訪れてみたときのインパクトが大きいスポットだったのだ。つまり、ある種の「知る人ぞ知る」名所として、京都に不案内な人にも紹介しやすい場所であった。しかし、それも今は昔の話である。

■外国人が行列作る「伏見稲荷大社」

いつの頃からか、こちらが提案する前から「伏見稲荷って京都駅から近いの?」などと先方に問われるような場面が増え、たまに客人の案内などで足を運べば、赤い鳥居のトンネルは果てしなく続く外国人観光客の行列でいつでも渋滞。とても「心細さ」を味わうどころの話ではなくなってしまっていたのだ。

それもそのはず。金閣寺や清水寺など昔よりひろく知られた観光名所をふくめ、京都市内には世界遺産「古都京都の文化財」を構成する14件の世界遺産があるが、世界最大の旅行口コミサイト『トリップアドバイザー』の「外国人に人気の日本の観光スポット」部門における第1位は、ほかでもないこの伏見稲荷大社なのである。

観光スポットとしての伏見稲荷の大躍進のきっかけは「インスタ映え」にある。2011年には6位だった伏見稲荷大社だが、赤いトンネルのように続く千本鳥居が外国人観光客の間で“photogenic”、つまり「インスタ映え」するスポットとして話題になるにつれて、2012年3位、2013年2位とランキングを駆け上り、2014年度についに「日本一」の称号を獲得することになった。そして以後、その栄冠をほしいままにしているのである。

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