「桜を見る会」問題が象徴する安倍政権の体質 「安倍一強」政権が政官界の倫理観を破壊する

東洋経済オンライン / 2019年12月11日 14時15分

臨時国会が閉会し、記者会見する安倍晋三首相(12月9日、写真:時事通信)

またもや首相が逃げ切ったという感じの臨時国会の幕切れとなった。

安倍晋三首相主催の「桜を見る会」に関する野党の追及に、菅義偉官房長官や官僚らが矛盾だらけの説明を繰り返す一方、安倍首相はまともに対応しようとはしなかった。国会が閉幕した12月9日の記者会見も、「招待者の基準が曖昧であり、結果として招待者の数が膨れ上がってしまった」などとひとごとのような説明に終始した。

この間、日米貿易協定などの重要政策の審議は国民の視野から遠のいてしまった。自らの関与が疑われている問題について誠実に説明しようとしない安倍首相の倫理観の欠如した姿勢は、「森友・加計問題」以降繰り返されているが、今やそれが政界と官界にまで拡散している。

■責任感が見られない安倍首相の姿勢

桜を見る会に対する安倍首相の説明回避の姿勢は徹底していた。不都合な事実関係が次々と表面化すると、首相官邸で記者団に一方的に説明する「ぶら下がり」を数回行い、それを免罪符だと考えたのか、予算委員会は結局開かれなかった。代わりに説明役を引き受けたのは内閣府の官僚や菅官房長官だったが、その説明も新たな事実を前に矛盾だらけとなっていった。

廃棄した出席者名簿がバックアップデータとして残っていた事実が出ると、菅官房長官は「バックアップデータは行政文書に該当しないことから、情報公開請求の対象にはならないと聞いている」と説明するしかなかった。記者からの質問に答えられないため、繰り返し秘書官に説明を求める菅長官のやる気のなさそうな映像が、安倍政権の体質を象徴していた。

国会審議では政権の成果を強調し、都合のいい主張を繰り返す。野党の追及には時に自席からヤジまで飛ばす。ところが不都合な事実が表面化すると、委員会出席を拒否し、普段はやらない「ぶら下がり」で一方的に話す。このような安倍首相の対応には、国民にきちんと説明しようという責任感は見られない。

9日の記者会見でも、問題なのは「招待者の基準が曖昧」だったことであり、自分の責任で見直すとして、自らの関与や後援会のかかわり方など問題とされている点については何も触れなかった。

首相の代わりに説明役を担わされた閣僚や官僚は、事実関係を明らかにすることよりも、安倍首相を傷つけないことを重視し、場当たり的につじつまを合わせようと無理な理屈を作り上げていった。そして、この理屈が破綻すると、知らぬ存ぜぬを通すしかなくなる。こうした光景に倫理感のかけらも感じることはできない。

■安倍首相が軽視する議院内閣制の根幹

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