カラオケのパセラで「歌わない人が6割」のワケ 業界の「汚い」「まずい」「不親切」を払拭した

東洋経済オンライン / 2019年12月14日 7時30分

パセラの提供する全6業態が詰め込まれているカラオケ パセラ AKIBAマルチエンターテインメント(編集部撮影)

「KARAOKE」として世界に通用する日本発祥のアミューズメント、カラオケ。実際の国内のカラオケ市場を見ると、1996年をピークに、カラオケルーム数、カラオケ参加者ともに、ほぼ横ばいあるいは微減が続いている(全国カラオケ事業者協会『カラオケ白書2019』)。市場は成熟状態にあり、かつ今後は人口減少の影響を受けて市場が縮小していくと考えられる。

そんな中、全12事業という多角化の戦略で差別化を図っているのが、パセラを運営するニュートン・サンザグループだ。売上高はグループで283億円(2018年8月期)と、前年より3億円のアップを遂げている。

ここでざっと、同社の歴史をおさらいしておこう。

■「汚い」「まずい」「不親切」を払拭

創業者の荻野勝朗氏は学生時代、ゼロから「日本一安いスキー専門店ヴィクトリア」を立ち上げた根っからの経営者である。なお、現在のニュートン・サンザグループはヴィクトリアの経営からは離れており、ヴィクトリアはゼビオホールディングス傘下に入っている。

アミューズメント産業に参入したのが、パチンコ店「グリンピース」を立ち上げた1988年だ。カラオケのパセラは、1992年、池袋西口店でスタート。

当時のカラオケ産業は、「汚い」「まずい」「不親切」というイメージが定着していたが、パセラはその正反対のサービスを提供し、業界内で一定の地位を確保してきている。例えば最も力を入れているのが料理で、カラオケボックスの食事と言えば、レンジで温めたスナック程度のものが定番だったが、パセラでは店舗ごとに厨房を設置し、出来たてのものを提供している。

1999年に、バリをコンセプトとしたホテル「バリアン」をオープン、そして2005年にはウェディング事業に乗り出す。

広報を担当している斎藤睦美氏によると、こうした多業種展開は単に市場変動への対応というだけでなく、同社の方針と密接に関わる、特徴と強みなのだそうだ。

「例えばウェディングなら生涯一度きりですし、ホテルも一度利用したらそれっきりということも多いですよね。当社が目指しているのは、各種のサービスを提供し、人生のさまざまなシーンで利用してもらえる『生涯顧客』をつくっていくことです。

例えば当社のホテルやカラオケ施設を利用してくださったカップルが、次にはウェディングで、次には家族旅行で、といった具合に、一生のお付き合いをいただく、そのようなサービスをご提供するのが当社の理想です」(斎藤氏)

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