大塚家具、「ヤマダ傘下」で問われる存在意義 自主再建をついに断念、年明けの資金不足も

東洋経済オンライン / 2019年12月14日 8時0分

ヤマダ電機の山田昇会長(右)と握手をかわす大塚家具の大塚久美子社長(左)(撮影:尾形文繁)

タイムリミットが目前に迫る中での決定だった。

大塚家具は12月12日、家電量販店大手・ヤマダ電機との資本提携を発表した。ヤマダは12月末にも第三者割当増資を引き受け、大塚家具の株式を約44億円で51%取得、同社を子会社化する。

ヤマダ傘下となった後も、大塚家具の大塚久美子氏は社長を続投する見通しだ。創業者である父・勝久氏との経営権をめぐる委任状争奪戦から5年弱。業績悪化に歯止めが掛からない中、久美子社長はついに自主再建を断念した。

■プレゼンで「子会社化」の説明なく

12日夕に急きょ都内で開かれた会見は、久美子社長とヤマダの創業者である山田昇会長が出席した。

久美子社長は冒頭のプレゼンテーションで「時代に合った大塚家具にするため、あえて父のやり方を変えなければいけないこともあったが、ヤマダ電機との協業には大きな可能性があると確信している。提携により、家電や家具という枠を超えた暮らしの新しい選び方を提案していく」と述べた。

プレゼンでは、今年2月の業務提携以降進めてきたヤマダの店舗への商品供給やコラボ店展開による効果や、今後の協業の展望などが語られた。しかし、久美子社長からは、ヤマダによる「子会社化」や「グループ化」、「買収」といった言葉が出ることは一度もなかった。

それはこの1~2年の間、資金繰りが逼迫する中でも、あくまで自社主導での再建を模索してきた久美子社長の複雑な胸中を表しているようでもあった。

2015年の委任状争奪戦で勝利した久美子社長は、父が築いた会員制の販売モデルを廃止し、低~中価格帯の商品を増やすなど、富裕層以外に顧客を拡大するための改革を断行してきた。だが、国内の家具市場ではニトリやイケアといった自社で製造も手がけるSPAが台頭し、大塚家具は品ぞろえや価格競争力の面で見劣りが目立った。

父娘間での対立によるイメージ悪化も拍車を掛け、2016年度以降は販売不振で3期連続の営業赤字に転落した。

営業キャッシュフローもマイナスが続き、約20年にわたり無借金経営を貫いてきた強固な財務基盤も揺らぎ始めた。急減する現預金を補填するために売却を進めた有価証券や不動産も、直近ではほぼ底をついた。度重なる赤字で銀行の借り入れが厳しくなり、倒産すらも現実味を帯びる中、2018年以降はスポンサー交渉に明け暮れることになった。

■経営権めぐり、膠着する出資交渉

スポンサー交渉の過程で足かせとなったのが、久美子社長の進退問題だった。ブランドの知名度と、高額品の販売スキルを身につけた営業部隊の存在に魅力を感じ、出資に関心を示す企業も少なからずあった。が、複数の元社員は「久美子社長は自身の経営権を維持するため、株式の過半を取られない形での提携を模索していた」と明かす。これがネックとなり、交渉はまとまらなかった。

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