プロでも間違える「赤ワインは常温」という誤解 ヨーロッパ基準で誤読してしまった?

東洋経済オンライン / 2019年12月15日 7時40分

赤ワインはどうだろう。渋みが少ない赤ワインは、さらりとした舌触りでフレッシュ感もあるため、やや冷たいほうがおいしい。渋みのある赤ワインは、ちょっと違う。渋みは冷やすとざらついているように感じるので、キンキンには冷やさないほうがいい。20℃くらいがベストだ。

と、ここで考えてほしいのは、20℃の飲み物を口に入れれば冷たいということだ。体温は36℃前後だから当然だ。しかし、最も高い温度が20℃ということは、ワインは赤であっても冷やしたほうがおいしいということになるのだ。

この勘違いは、一般消費者だけではなく、飲食店関係者、プロのワイン提供者にも結構多い。

白ワインは冷蔵庫に入れるけれど、赤ワインは冷やしてはいけないと思い込み、常温でおいている、という人は多いのではないだろうか。

鉄板焼きとか焼き鳥屋さんで、火がもうもうと上がるすぐ脇に、赤ワインが置いてあって、ぎょっとすることがある。生ぬるいままの赤ワイン、あまりにしまりのない味なので「冷やしてください」というと、お店の人には「赤ワインを冷やすの?」というけげんな顔をされたりする。

なぜこのような勘違いが起きたのだろうか。それは、「赤ワインは常温で」を「冷やさないで」と解釈してしまったからだと、筆者は考えている。

■夏でも涼しいヨーロッパと日本では常温が違う

夏でも涼しいヨーロッパでは(最近はヨーロッパもかなり暑いが)、「常温=部屋の温度」といえば、20℃くらいを指したのだ。

夏の気温が40℃近くなる日本で、常温のワインは、それとはまったく違うものになってしまう。生ぬるく、ぬめっとしてしまう。フルーティーさも、生き生きとした酸味も、きめ細かなタンニンもすばらしいバランスも、まったく感じられない。

やはり少し冷やして味を引きしめたほうが断然おいしくなる。これは、夏のみならず、暖房の利いた冬でも同じことだ。

それに何より、そもそもワインはブドウという果物から生まれるお酒。フルーツのブドウでもちょっと冷やして食べたほうがおいしい。そういうとイメージが湧くだろうか。

こう書くと「熟成した年代物の赤ワインも冷やすのか」という人が出てくる。「赤ワインは冷やして」といっても、むやみやたらにキンキンに冷やせと言っているわけではない。あくまでおいしい温度はワインごとにある。

もちろん熟成ワインであっても、生ぬるい、または温度が高いと、ぼやけた香味になってしまうのは確かだ。

適度に冷やすことによって、濃縮した果実味、きめ細かなタンニン、それでいてまだ十分に若さを感じる酸味が感じられる。全体を包み込むような上質のアルコール、複雑ながらエレガントで美しい余韻も、十分に味わうことができるはずだ。

友田 晶子:一般社団法人日本のsakeとwineを愛する女性の会代表理事

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