巨人で「3軍」常連の男が野球に見つけた生き方 24歳で戦力外通告、女子野球新チーム監督に

東洋経済オンライン / 2019年12月26日 7時40分

2011年に巨人に指名され、2017年に戦力外通告。2018年冬に引退した高橋洸は富山で女子野球チームの監督になります(写真:TBSテレビ)

華やかなプロ野球の世界。活躍した選手には名誉と莫大な報酬がもたらされる一方で、競争に敗れ、表舞台から去りゆく選手がいる。そんな「戦力外通告」を受けた選手をドキュメンタリーで描いてきたのが、TBSテレビの『プロ野球戦力外通告~クビを宣告された男たち』だ。

12月30日(月)夜10時からの放送回で通算16回目を迎えるこのシリーズ。プロ野球選手の姿は特別な存在ではなく、不況の中では誰の身にも起こりうる“究極のリアル”でもある。放送を控え、番組に関わるサイドストーリーを取材班が3回にわたってリポートする。

第2回は高橋洸(たかはし こう)。2017年に読売ジャイアンツ(巨人)から戦力外通告を受け、2018年12月に現役を引退した。2020年春に富山市に誕生する社会人女子野球チームの初代監督に就任し、再びグラウンドに戻ってきた男がこれまでの野球人生を語った。

第1回は中後悠平の記事『30歳、プロ野球を3度クビになった男の波乱曲折』。

■「レギュラーポジション」を見つけるためにもがいた男

人生3度目の再スタートだった。

元巨人軍の外野手、高橋洸(26)は富山県を訪れていた。富山市に誕生する北陸初の社会人女子硬式野球チーム「バンディッツ・ガールズ」の監督へ就任することになったのだ。

「監督というお話をいただいて、正直、びっくりはしました。ただ、私も指導者という立場は初めてですけど、選手の女の子たちも一期生ですから。その点は、あまりプレッシャーを感じていません。やるからには勝ちたいですよね。女子プロ野球のチームに勝ちたい。それだけの練習環境は整っていますから」

チームの室内練習場を訪問した高橋は、気持ちのたかぶりを隠せなかった。バッティング・ゲージ3カ所に、ブルペン2カ所。余裕のあるスペースに設置されたウエイトトレーニングのマシン。

「女子野球なのに専用グラウンドまであるんですよ」

高橋の声は明るい。

それもそのはずだ。2017年の秋に巨人軍から戦力外通告を受けてから2年、この富山に家族と移り住むまで、高橋は人生の「レギュラーポジション」を見つけるため、必死にもがき、そして再びグラウンドへ戻ってきたのだから。

2011年の秋、高橋は巨人にドラフト5位で指名される。

それまでの野球人生は、順調すぎるほどに順調だった。小学校1年生で野球を始めたときから、夢はプロ野球選手。好きなチームは巨人。

中学時代にシニアリーグで全国大会に出場。2009年に新潟県の強豪・日本文理高に入学すると、1年の春から控え投手としてベンチに入り、夏の甲子園で準優勝を経験する。その後、高い運動能力をかわれて野手に転向。3年生のときは4番を任され、春、夏と連続で甲子園に出場した。

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