台風19号の影で「見過ごされた」豪雨災害の数々 グラフィックで振り返る豪雨と台風の2019年

東洋経済オンライン / 2019年12月30日 9時50分

台風19号通過直後の阿武隈川(本宮)地区(出典:国土交通省「令和元年(2019年)台風19号に関する情報」10月13日撮影)

2019年において、最も注目を集めた災害は間違いなく台風19号でしょう。10月中旬に首都圏を直撃し、関東地方を中心に甚大な被害をもたらしました。「計画運休」「命を守る行動を」といった災害・避難に関連する言葉がユーキャン新語・流行語大賞にノミネートされるなど、台風や豪雨による被害に注目が集まった年だったといえます。

しかし、台風19号の印象が強かった一方で、それ以外にも九州北部豪雨、千葉県豪雨など、2019年には日本各地で台風・豪雨被害が相次ぎました。そこで東洋経済では、全国の気象観測所における降水量データをグラフィック化。今年の主な台風・豪雨被害を振り返るデータビジュアルを制作しました。

こちらの特設ページでグラフィックを見ることができます(リンクが表示されない場合はhttps://toyokeizai.net/sp/visual/tko/precipitation/にアクセスしてください)。

特設ページでは、画面下部のボタンで日付を移動できます。右下の「 i 」マークはこの記事そのものに関する情報を表示しますが、特に降水量の多かった日になると「!」マークに変わり、その時期に起きた豪雨・台風災害の解説を読むことができます。

■気象台・アメダスのデータをDeck.glで3Dマップ化

そもそも降水量とは、一定期間に雨量計に入った雨や雪がどの高さまで降ったか・積もったかをミリメートル(mm)で表すものです。降水量は全国に約1300カ所存在する気象台やアメダスなどで観測されています。テレビの天気予報でも名前が出ることが多いアメダス(Automated Meteorological Data Acquisition System = AMeDAS)は、直訳すると「自動気象データ収集システム」となります。かつて気象庁が農家に気象観測を依頼し、集まったデータを農業の支援に役立てていたのが、無人のデータ収集システムに置き換わったものです(『図解 気象学入門』古川武彦・大木勇人、講談社、2011年)。

今回はこれらの気象台やアメダスなどで測定された日降水量(0時から24時までの降水量合計)のデータを、UBERの公開しているオープンソースのWebGLフレームワーク「Deck.gl」を使って3Dマップ化しました。

さて、豪雨災害が大きくクローズアップされた今年ですが、日本全体での降水量は増えているのでしょうか。気象庁の発表資料によると、長期的に見た年間の降水量には顕著な増加・減少傾向は見られません。下の図は、1898年から2018年にかけて年間降水量の偏差(1981年〜2010年の平均からの差)を示したものです。1900年代初頭および1950年代に雨の多い時期があり、その後は変動を繰り返しつつ、2010年代に入ってからは再び雨の多い時期が続いています。

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