ゴーン被告、逃亡を可能にした「主犯」は誰か 検査なし、プライベートジェットに抜け穴

東洋経済オンライン / 2020年1月9日 7時20分

2019年4月に再保釈されたカルロス・ゴーン被告(写真:ロイター/アフロ)

「国外に逃亡したのは、我が国の裁判所による審判に服することを嫌い、刑罰を逃れようとしたに過ぎず、正当化される余地はない」

報道各社から報じられた検察庁による異例のコメントからは、激情に駆られた司法当局の心境がにじみ出ている。

■日本からどうやって出国したのか

2018年11月に東京地検特捜部に金融商品取引法違反の容疑で逮捕され、海外渡航の禁止条件付きで保釈中だった日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告。ゴーン被告が日本時間の2019年12月31日、アメリカの広報担当者を経由して「レバノン逃亡宣言」を発表してから1週間が過ぎた。

ゴーン被告はフランスのパスポートを2通所持しており、うち1通を携帯していたと報じられている。日本とレバノンの間では犯罪人引き渡し条約が結ばれておらず、刑事訴追中の被告人が入国・滞在することが可能だ。

しかし、ゴーン被告の逃亡劇における最大の疑問は、日本からの出国過程にある。

ゴーン被告は12月29日、プライベートジェットで関西国際空港を飛び立ち、トルコ・イスタンブールを経由して同月30日にレバノン・ベイルートへ入ったとみられる。関空でのフライト前には、立ち寄った関空近くのホテルから出発する際、ゴーン被告に同伴した男性2人が2つの「大きな箱」を持って出たようだ。

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、ゴーン被告は音響機器用の大型ケースに身を隠していたとされており、このケースはプライベートジェットの客室後方で発見されている。そして、ゴーン被告を運んだトルコのプライベートジェット運航会社MNGジェットは、従業員が個人的にゴーン被告の搭乗記録を改ざんしたことを確認した。

日本において国際線の乗降客数が2番目に多く、日本を代表する空の玄関である関西国際空港からゴーン被告が逃亡することはなぜ可能だったのか。

一般的に、航空会社の旅客便に搭乗する際、乗客と手荷物はX線や金属探知機による保安検査を通過する必要がある。保安検査は航空法で義務づけられている。現場で実際の検査作業を担うのは、航空会社から委託を受けた警備会社だ。保安検査の後、CIQ(税関・出入国管理・検疫)のブースを経て、晴れて出国となる。

■プライベートジェットでは保安検査の義務なし

関西国際空港の第2ターミナル内には、ラウンジや会議室を備えたプライベートジェット利用者専用の空間「玉響(たまゆら)」が設置されている。プライベートジェットの利用者は一般乗客と違い、玉響内にある保安検査ブースとCIQブースで所定の手続きをする。

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