勝ち組の「ユニクロと無印良品」が露呈した弱点 悪化の理由は韓国、香港影響だけではない

東洋経済オンライン / 2020年1月25日 7時20分

ファーストリテイリング、良品計画ともに直近決算の結果を受けて通期見通しを引き下げた(撮影:今井康一)

「勝ち組」と言われた小売専門店の経営課題が、ここにきて浮き彫りとなっている。

ユニクロを傘下に持つファーストリテイリングが1月9日に発表した2020年8月期の第1四半期(2019年9~11月期)決算は、売上高6234億円(前年同期比3.3%減)、営業利益916億円(同12.4%減)と減収減益で着地した。

このため、当初増収増益を見込んでいた通期決算の見通しも、売上高2兆3400億円(前期比2.2%増)、営業利益2450億円(同4.9%減)の増収減益に下方修正した。4期ぶりの営業減益となる。

■韓国、香港の影響を免れず

下方修正の理由としてユニクロが挙げたのは、日系ブランドの不買運動が続く韓国と、デモが長期化する香港での業績悪化だ。

韓国は、ユニクロを190店弱展開し、年間売上高が1000億円を超える重要な市場だ。その韓国と、30店舗を展開する香港での赤字が収益を圧迫。第1四半期決算において、海外ユニクロ事業の営業利益は前年同期比28%減の378億円と低迷した。この落ち込みが、全体の足を引っ張った。ファーストリテイリングの岡﨑健取締役は1月9日の決算説明会の席上、「いつまで続くかわからないが、韓国は非常に厳しい事業環境にある」と語った。

韓国と香港の急激な収益の悪化は、外部環境の変化に起因するもの。これだけが下方修正の要因であれば、現地の情勢次第で業績も回復する可能性は高い。だが今回の決算では、内部要因ともいえる別の課題も露呈した。

第1四半期の決算で目立ったのが、国内ユニクロ事業の停滞だ。同事業の2020年8月期第1四半期の売上高は2330億円(前年同期比5.3%減)、営業利益は385億円(同1.6%増)。在庫の値引き処分がかさんだ前年同期と比べ粗利益率は改善したが、売上高、営業利益とも会社の期初計画を下回った。営業利益は同四半期に500億円程度を稼いでいた5期前と比較しても、悪化傾向にある。

収益が想定を下回った最大の要因は、暖冬の影響だ。一般的にアパレル企業は、商品単価の高い防寒着が売れる秋冬シーズンが稼ぎ時。この秋冬は気温が高く推移しており、ファーストリテイリングもこの逆風を受け、国内ユニクロの既存店売上高は昨年9月以降、前年割れが続いている。

ヒートテックやウルトラライトダウンなどユニクロの主力商品は、防寒や保温といった機能性の高さがウリ。ほかのアパレル企業と比べ、トレンド変化の影響を受けにくい反面、新商品やコラボ企画で大ヒットが出ないかぎり、気温の変化に売り上げが大きく左右されがちだ。今回の決算では、この弱点が改めて露呈した格好だ。

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