阪堺線の車両も走る…「カナダ鉄道旅」のツボ 広い国土に少ない人口、日本とまるで違う

東洋経済オンライン / 2020年2月29日 7時0分

北サスカチュワン川を渡るエドモントンの元阪堺電気軌道(2019年7月、筆者撮影)

カナダの西の玄関口バンクーバーにはスカイトレインという都市鉄道が3路線ある。中心街は地下を、それ以外は高架を運行、1路線は空港アクセスも兼ねる。無人運転であるが、ホームドアなどはなく、安全面で少し不安も感じるが、日本ほどの混雑にならないのでホームから転落などということは想定していないのだろうか。3路線中2路線はリニアモーター駆動で、駅間距離の長い区間ではジェットコースターのように軽快に飛ばす。

バンクーバーにはこのほかに、日本人なら大抵驚いてしまう鉄道がある。ウエストコースト・エクスプレスという鉄道で、社名は都市間急行のように思えるが、「通勤に徹しすぎた路線」とでも表現しようか。

■最終が18時20分の通勤路線

通勤に徹しているだけあって、平日のみ運行で週末は運休、郊外とバンクーバー中心地のウォーターフロント駅の間を1日5往復、朝に上り5本、夕方に下り5本という運転内容だ。それ以外の列車はないので、バンクーバー中心地から郊外への日帰りすらできない。

日本にも和田岬線のような通勤時間帯を中心にダイヤが組まれた路線があるが、そこまで小規模ではなく、68kmの区間を1時間25分かけ、ディーゼル機関車に8~10両の客車を連結した本格的な列車で、客車は2階建てなので輸送力は大きく、どの列車も通勤客で満席となる。

さらに驚くのが運行時間かもしれない。朝はウォーターフロントに6時40分から8時40分に到着するダイヤで、8~9時出社が前提と納得だが、下りのウォーターフロント出発は15時50分からで、最終が18時20分である。残業とか、仕事帰りに一杯などということは考えにないらしい。並行するバスがあるものの1日1往復のみである。

私はこの鉄道に全線乗ってみたかったが、下りに乗ると郊外で1泊しないと帰って来られなくなるので、先述のスカイトレインで戻ることのできる途中駅まで乗車した。2階建ての車内は全席ゆったりしたボックスシートだが、満席で出発、全員が帰宅するサラリーマンとOLという感じであった。仮に15時50分の便で帰宅、自宅が終点付近だったとしても、夏季の日没は22時くらいなので、帰宅してから4時間は明るい時間となり、ライフスタイルの違いを感じる。

それにしても、これだけの車両がありながら、週末は郊外へのレジャー客、中心街への買物客、あるいは郊外に大学を誘致して双方向の需要発掘……、こういったことを考えないという姿勢にも驚かされてしまう。しかし、こういった通勤に徹した列車はアメリカでも珍しい存在ではなく、ほかにも同じような例は散見されるのである。

■カナディアンロッキーの車窓を満喫

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