バイデン氏「逆転」でも混迷する民主党候補選び サンダース氏を警戒、企業はトランプ支持

東洋経済オンライン / 2020年3月5日 8時10分

2020年2月のテレビ討論会で激論を交わす、バーニー・サンダース上院議員(左)とジョー・バイデン前副大統領(写真:ロイター/アフロ)

11月のアメリカ大統領選に向けた野党・民主党の候補者争いで、全米14州で予備選を一斉に行う「スーパーチューズデー」の投票が3月3日に行われた。

序盤の予備選で劣勢だった穏健派のジョー・バイデン前副大統領が猛烈に挽回。これまで圧倒的優勢と見られていた左派のバーニー・サンダース上院議員を逆転する勢いを見せている。

3月4日21時時点(日本時間)では、バイデン氏が14州のうち10州で得票数トップとなり、サンダース氏の4州を上回っている。ただ、得票数に比例して配分される代議員数の多いカリフォルニア州ではサンダース氏が優勢を保っているほか、テキサス州でも僅差で2位につけている。累計の代議員数でバイデン氏が逆転したとしても、まだ大差でリードしているとまでは言えない状況だ。

■「サンダース優勢」で穏健派が団結

バイデン氏反撃の最大の要因は、穏健派のピート・ブティジェッジ氏とエイミー・クロブシャー氏がスーパーチューズデー直前に選挙戦からの撤退を決め、2人ともバイデン氏支持に回ったことだ。民主党支持層の中では依然として穏健派が主流で、サンダース氏の独走に危機感を抱いた穏健派が、トランプ大統領の打倒に向けて一致団結し始めた。

「サンダース氏は、エレクタビリティ(共和党に対する勝利の可能性)という点で民主党穏健派から危険視されていた。公的資金による国民皆保険など同氏の公約には財源の面で大きな疑念があり、富裕層増税などで足りないところは経済成長で何とかなるといった楽観論に支えられている。こうした眉唾の政策では(本選挙の勝敗のカギを握る)無党派層から敬遠される可能性が高く、このままでは大統領選と同時に行われる上下院選でも民主党は敗北してしまうという危機感が高まっていた」

2008年から2017年まで丸紅ワシントン事務所長を務め、現在もアメリカの政治経済情勢を分析している今村卓・丸紅経済研究所所長は指摘する。

通常、本選挙が近づくにつれて候補者の政策は中道寄りに修正されることが多いが、ことサンダース氏に関しては「それは支持者への裏切りとなり、路線を修正する気配はまったく感じられない」(今村氏)。自ら「民主社会主義者」を自称し、つねに我が道をゆく政治姿勢は筋金入りだ。

だが、バイデン氏がこのまま穏健派のリーダーとして早期に候補指名を確実にできるかというと必ずしもそうはいかないようだ。

■7月決戦投票なら民主党にダメージ

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