64歳元常務が「再就職先」で味わった哀れな末路 偉くなればなるほどアウェー耐性は脆弱化

東洋経済オンライン / 2020年3月14日 9時50分

「塩漬けおじさん」は定年後に失敗しがちです(写真:mits/PIXTA)

「お恥ずかしながら、私、この年になって出社拒否になってしまって。だらしないですよね」

こう切りだした岡田さん(仮名)は某大手企業の元常務。63歳で定年となり8カ月後に再就職。これまでのキャリアを買われての就職だったそうだ。

■半年で出社拒否になった元常務

定年になったらやることがなくなって、定年うつになるって脅されていたんですが、私の場合は幸い次が決まっていたので大丈夫でした。妻も8カ月ですからギリギリ我慢してくれたんでしょう。再就職先は関連会社です。数年前から積極的に同じ業界からシニア採用をしていましてね。昔の上司が呼んでくれたんです。

受け入れ態勢はきちんとしていました。研修期間もあるし、シニアも戦力として見てくれる。給料は下がりますが、本人の能力次第では70歳までいられるんです。私は気力と仕事の質には自信があったし、今までのキャリアを生かしてがんばろうと張り切っていました。

ところが……半年後に出社拒否です。完全にメンタルをやられてしまったんです。

原因はいろいろあります。期待に応えようとすればするほど空回りしたし、上司ともうまくいかなかった。パワハラみたいなこともあったりで。やっぱり人間関係は大きいですね。家では心配させないように振る舞わなきゃだし、疲れてしまったんです。

あと……せこい話なんですけど、前の会社のときはタクシーも自由に使えたし、周りも私のことをそれなりに扱ってくれました。ところが、再就職先では私はシニア社員の1人でしかない。飲み屋ひとつとっても扱いが変わります。そんなのはわかっていたことだし、大したことじゃないって思っていました。なのに、実際に経験すると結構、プライドが傷つくわけです。私みたいなのを〝塩が抜けない〟って言い方をするらしいです(苦笑)。

私は社外とも人間関係があるし、趣味だってある。タコつぼ人間になっているなんて自覚は皆無でした。でも、実際は長年過ごした組織で、しっかり塩漬けになっていたんです。私を引っ張ってくれた元上司が、いろいろと気にかけてくれるのも情けなくてね。結局、1年もたずに辞めてしまった。周りに迷惑をかけるからそれだけは避けたかったんですが……、情けないですよね。

某大手企業元常務 岡田さん(仮名) 64歳

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