なぜ米緊急緩和や日銀のETF買いは最悪なのか FEDも日銀も「愚かなこと」をやってしまった

東洋経済オンライン / 2020年3月17日 20時30分

日銀の16日の「株式買い入れ拡大」は筆者に言わせれば「愚かな行為」だという。それはなぜか(撮影:大澤誠)

株価の暴落が続いている。

にわかにリーマンショックとの比較が盛んになされるようになったが、ある意味ではリーマンショックを遥かに超えた驚きの暴落である。

■あまりに無力だった中央銀行の金融緩和

これに対応して、アメリカのFEDは同国時間15日の日曜日夜(日本時間16日の朝6時)に、FOMC(米公開市場委員会)を待たず1%の緊急利下げを実施、ゼロ金利とした。さらに量的緩和を再開した。

日銀もすぐさま応じ、16日昼に政策決定会合を前倒しで緊急実施することを朝9時前に発表。会合は2時間ですませ、株式ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)の買い入れ額をただちに決定し、16時から黒田東彦総裁は記者会見を実施した。

これを受けて株価は急反発するかと思いきや、まさかの大暴落。まず、アメリカ金融利下げ発表直後から、ダウ先物は1000ドル安となった。日本株も日銀の発表直後の14時には一瞬上昇したものの、すぐさま下落に転じ、400円以上下落して引けた。

日本時間の夜になって、アメリカ株式市場が開くと、すぐさま大暴落となり、サーキットブレーカーが今月3度目の発動。しかし、まったく効果はなく、16日のNYダウの引け値は2997ドル安の2万0188ドルと、2万ドル割れ寸前で終わった。

なぜ、株価はここまで下がったのか。そして、アメリカのFEDが金融緩和ゼロ金利、量的緩和再開、日銀が株式ETFの買い入れ倍増まで表明したのに、それにもかかわらず、なぜ下がるのか。中央銀行関係者も市場関係者も呆然とし、理由がわからず、頭を抱えた。

愚かだ。当然だ。

市場を理解しないメディアのニュースキャスターなどは、「新型コロナウイルスの影響がさらに拡大」といったコメントで報じているが、まったく違う。そうではなくて、アメリカや日本などの金融緩和拡大が裏目に出ただけだ。

これは3月頭のアメリカの緊急利下げのときも起きたことで、FED(米連銀)はまったく学んでいなかった。さらに愚かなことに、日銀は2度の彼らの失敗をわざわざ真似して、大暴落を作ってしまった。

FEDが15日に行った政策については、また金利を下げており、量的緩和にしても国債の買い入れだから、金利を下げるという目的があり、資金繰りを支援し、実体経済を支えるという大義名分は成り立つ。やり方として、実施方法としては失敗したが、やる理屈はある。

一方、日銀の株の買い入れはどうか。株式市場を支えること以外の理由が何もない。株を買っても、新型コロナの影響で売り上げが落ち込んだ中小企業を支えることに、1ミリの効果もない。したがって、今回の株式買い入れ拡大は、株価を支えることだけしか目的はないのに、180度逆の結果をわざわざ自分で作った。

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