「テセウスの船」子役の怪演に人々が熱中する訳 大人顔負けの子どもがテレビドラマを光らせる

東洋経済オンライン / 2020年3月21日 18時10分

回を追うごとに視聴率が上昇していく人気を見せたTBS日曜劇場「テセウスの船」(東洋経済オンライン編集部撮影)

最終回(3月22日放送)を前に注目度が沸騰している日曜劇場「テセウスの船」(TBS系 日曜よる9時〜)。その魅力のひとつが、幼き殺人者・みきお(柴崎楓雅)である。非力に思えた小学生が毒物を使って大量殺人を実行した理由とは……。みきおを演じる11歳の柴崎楓雅の魔少年ぷりに目が離せない。

ドラマの盛り上がりには子役の活躍が欠かせない。ただ、かわいい子役を出せばいいわけではなく、そこには仕掛けも必要である。「テセウスの船」の子役使い方の巧さはどこにあったのか。

「テセウスの船」は、2020年から31年前の1989年(平成元年)に起きた「音臼小無差別大量殺人事件」の謎を中心に進むヒューマンミステリー。善良な警察官・佐野文吾(鈴木亮平)が犯人とされ、文吾を父にもった息子・田村心(竹内涼真)は、31年もの間、日陰の身を余儀なくされてきた。あるとき、現代から過去にタイムスリップ、忌まわしい事件は父が起こしたものではないと知り、心は父を救うべく、事件を阻止しようと奔走する。また文吾も心に協力するようになり、時を超えた父子の奇妙であたたかいコンビプレーが発揮されていく。

■緊迫感と予想できない展開で人気に

タイムスリップものの通例で、心がまだ生まれていない時代に心が行動すると、歴史が変わり、未来が変わっていく。良く変わることを願いながら、なかなかうまくいかず、暗い未来になってしまい焦る心。その緊迫感と予想できない展開で、視聴率も最初から悪いほうではなかったが、当初から微妙な怪しさを振りまいていた小学生のみきおが犯人であることがわかると、がぜん盛り上がってきた。

最初、容疑者だった文吾役の鈴木亮平にはじまって、ユースケ・サンタマリア、笹野武志、六平直政、霜降り明星のせいや、今野浩喜、小籔千豊、麻生祐未などなど、犯人候補になり得そうな怪優が次々出て来て、瞳の陰影や刻まれた顔のシワに、悪意を読み取りたくさせる演技合戦が繰り広げられるなかで、肌がつるっと白く、濁りのない瞳をした少年が悪の権化だったことのギャップ。また、みきおの未来の姿を演じる安藤政信の怪演もバックアップになり、その後の少年みきおのターンはストーリーも演出も演技も乗りに乗った。

美少年みきおのクールな目つきや口元にゾクゾクする凄みがあり、彼が目の悪い老人にクスリと偽り毒を飲ませる場面は震撼となったし、追い詰められて死んだふりして、「犯人じゃなかった?」と思わせてから、目をパチリと開けるところなんてホラー映画のような興奮を覚えた。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング