小学校「再開」でも現場はまるで油断できない訳 感染拡大地域では休校を延長、長期化懸念も

東洋経済オンライン / 2020年4月6日 7時40分

政府は全国一斉休校を解除する方針だが、感染拡大地域は休校が長期化する可能性がある(デザイン:杉山 未記、写真:佐藤 良平/アフロ)

「全国すべての小学校、中学校、高校、特別支援学校について、3月2日から春休みまで、臨時休業を行うよう要請する」

2月27日に政府の新型コロナウイルス感染症対策本部の席上で安倍晋三首相が述べた言葉だ。夕方に突如発表されたこともあり、学校現場は混乱を極めた。春休みまで休校するということは、翌28日の金曜日が事実上「最後の登校日」となることを意味するからだ。提出物を急いで返却したり、急きょ修了式を行ったりした学校もある。「友達に会えなくなる」「もうこの学校に行けなくなる」とショックを受けた児童も多かった。

『週刊東洋経済』4月6日発売号は「小学校 子どもが幸せになる選び方」を特集。4月から始まる新学習指導要領によってどう学校現場が変わるのかや、自治体ごとの教育力の差などについて分析している。

■大混乱に陥った「全国一斉休校要請」

一斉休校の間、家で子どもの面倒を見るために仕事を休んだり、在宅勤務をしたりといった対応を迫られる保護者も少なくなかった。

放課後に子どもを預かる学童保育も対応に追われた。夏休みのように朝から学童保育を開く態勢に切り替えるため、「最初の1週間は人員の手配で大わらわだった」(学童保育の委託事業を担う法人の担当者)という。

大勢の人が体育館などに集まると新型コロナウイルスの感染拡大につながるため、卒業式も異例の形が取られた。多くの学校は、座席の間隔を空け、最低限の人数で短時間の式を行った。中には教室で開催したり、入場できない保護者のために動画をライブ配信したりする学校もあった。

政府は全国一斉の休校要請については、4月の春休み明けから解除する。3月19日の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で、「感染拡大が収まっている地域では要請を徐々に解除する余地がある」との提言が出されたからだ。感染者が確認されていない地域の中には、学校を再開させるところもあった。

しかし、再開できたとしても新型コロナウイルスへの対応で学校活動が制約されるのは間違いない。それに備えて文部科学省が3月24日に「学校再開ガイドライン」を発表。しかしこれが現場を困惑させている。

登校前の検温や風邪症状の確認、手洗い・せきエチケットの徹底、換気を行い密閉・密集・密接を回避する取り組みなどを求めているが、首都圏のある公立小学校の校長は、「密集を避けろというが、40人を教室に集めるだけですでに密集となる。ガイドラインは矛盾が多く不可能に近い」とこぼす。

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