コカ・コーラ、コロナ禍でも自販機拡大のなぜ 自販機需要が減少の中、社長は強気姿勢貫く

東洋経済オンライン / 2020年6月5日 7時0分

新型コロナウイルスの影響で自販機などでの売り上げが低迷し、コカ・コーラBJHの今第1四半期決算は赤字でのスタートとなった(編集部撮影)

「変革の年の前半で、この危機が起きてしまった」

5月14日にオンラインで行われた、コカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングス(BJH)の決算説明会。冒頭でカリン・ドラガン社長は、会社の現状をそう表した。「正直言って事業を放り出したい気分ではないだろうか」。厳しい状況が続くドラガン社長を憂慮して、飲料業界内からはそんな声すら聞こえてくる。

3月以降の新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、コカ・コーラBJHの2020年12月期第1四半期(2020年1~3月期)の営業損益(国際会計基準)は78億円の赤字となった。西日本豪雨による工場被災で供給体制が逼迫、さらには早期退職に伴う一時費用もかさんで損失を計上した前年同期と同様に、出足からの赤字スタートとなった。

■収益の柱である自販機事業

今第1四半期の赤字の原因は、自動販売機を中心に売り上げが大きく落ち込んだことにある。同社の飲料の販売数量をみると、1~2月は前年並みで推移していたが、大型イベント自粛などが始まった3月は前年同月比で1割減となった。

商品別では、買いだめ需要で伸びたとみられる水以外の炭酸飲料やコーヒーといった全商品が前年同期比を下回った。外出自粛が本格化した4月については商品別のデータは公表されていないものの、全体の販売数量は2割以上も減少している。

安売りが常態化するスーパーなどと違って、定価で売ることができる自販機は利益率が高い。そのため、自販機での販売数量減少は業績を直撃する。特にコカ・コーラBJHは自販機への依存度が高く、飲料事業の粗利益の4割以上を自販機で稼ぐ。

同社の自販機台数は業界トップの約77万台で、国内市場全体の3割を占める。業界2位・サントリー食品インターナショナルの約40万台、同3位・アサヒ飲料の約28万台を大きく上回る(自販機台数は飲料総研による調査データで2019年末時点)。

他方、コカ・コーラBJHは、オフィスビルやパチンコ店といった娯楽施設など、天候で売れ行きが左右されにくい屋内に自販機の6割を設置している。今回、この自販機依存がコロナ禍で裏目に出てしまった。テレワークの広がりで、オフィスでの自販機需要は激減。営業自粛が広がった娯楽施設でも苦戦した。

緊急事態宣言は5月25日に全面解除となったが、コカ・コーラBJHは4~6月の業績に影響が最も出ると想定している。販売数量を伸ばす機会になると期待していた東京五輪も開催延期となったこともあり、営業利益140億円としていた2020年12月期の通期業績見通しは、第1四半期決算の発表にあわせて取り下げて、「未定」とした。

■台数増を打ち出したドラガン社長

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