「不倫を叩く日本人」と「寛容なドイツ人」の大差 ドイツ人が「浮気相手に慰謝料を求めない」訳

東洋経済オンライン / 2020年6月11日 17時30分

「不倫」に対する日本人とドイツ人の価値観の違いとは?(写真;Sports Nippon/GETTY)

著名人の不倫がたびたびメディアで話題になる日本。今回は女優・佐々木希さんの夫でお笑いコンビ「アンジャッシュ」の渡部建さんの不倫が本日発売の『週刊文春』で報じられました。

記事には不倫相手の一人であるB子さんの知人の話として「B子さんは佐々木希さんから裁判をチラつかせるようなことも言われたといい、彼女は恐怖を覚えたそうです」とあります。不倫相手を訴えたり慰謝料を求めることができるのは「日本ならでは」です。

たとえば筆者の母国ドイツでは、不倫相手に慰謝料を求めることはできません。そういったこともあり、日本の感覚からいうと、ドイツを含むヨーロッパの文化は「不倫に甘い」といえそうです。

今回はそんな不倫に関する「日本と海外の捉え方の違い」をご紹介したいと思います。

■不倫を「叩く日本」「応援するドイツ」

メルケル首相の前にドイツの首相を務めたシュレーダー元首相が25歳年下の韓国人女性キム・ソヨン氏と5度目の結婚をしたことは日本でも話題になりました。

2人の交際は双方に配偶者がいる状態でスタート。日本流の言い方をすると、いわば「ダブル不倫」の末、結婚したということになります。

2人の関係は、キム・ソヨン氏の夫(当時)が「シュレーダー元首相のせいで妻との婚姻関係が破綻した」とソウル家裁に訴訟を起こしたり、シュレーダー元首相の4番目の妻であったジャーナリストのドリス・ケップフさんが「私たちの結婚生活が破綻した一因にはキム・ソヨン氏の存在があった」とSNSで公表するなど、タブロイド紙をおおいに賑わせました。

著名人の恋愛や不倫がタブロイド紙の恰好のネタになるのはどこの国でも同じですが、実は「取り上げ方」はちょっと違います。

日本の場合、週刊誌をはじめとするメディアが著名人の不倫を取り上げる時は「叩く」報道が目立ちますが、ドイツの場合は「新しい恋を応援」する書き方も多いのです。

シュレーダー元首相の不倫の場合も、4度目の妻との婚姻中に既婚女性であるキム・ソヨン氏と付き合い始めた際に「シュレーダーは新しい恋を見つけた」という見出しをつけるなど好意的な書き方をするドイツのタブロイド紙もありました。

これは国民の世論とも近い感覚で、ドイツでは「不倫といえども、人の『好き』という気持ちは応援すべき」「愛のことは当人同士にしか分からない」と考える風潮があります。

もちろん今回の渡部建さんのように複数の女性とトイレやホテルで肉体関係を持つような関係や、逆に一人の女性と長い期間にわたり関係を持ちながらも妻と別れる気配のない男性はドイツでも支持されません。でも、新しい恋の到来とともに離婚の準備に入るなどそれなりの行動が伴えば応援される傾向があるわけです。

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