「無観客の競馬」がこんなにも盛り上がった要因 ネット投票だけでも売り上げは前年比1割減

東洋経済オンライン / 2020年6月13日 9時50分

春の東京競馬場のGⅠシリーズを締めくくったのは6月7日の安田記念。もちろん焦点はアーモンドアイの日本馬最多となる芝GⅠ8勝目がなるか、だった。

ヴィクトリアマイルを制したが、レース後にノーザンファーム天栄に戻らなかったのは初めて。中2週とレース間隔を詰めて出走するのも初めてだった。それでも国枝調教師は「状態面で何も不安なところはない」と自信満々。昨年はスタート直後の不利が響いて3着に敗れたが、ルメール騎手はGⅠ8勝の新記録と昨年のリベンジを狙う「ダブルチャレンジ」と呼んで、こちらも自信を隠さなかった。

唯一、国枝調教師は「不安はスタートだけ」と語っていた。しかし、波乱が待っていた。国枝調教師の悪い予感は的中してしまった。馬の気配は落ち着きもあって絶好に見えた。しかし、ゲートが開く直前に突進して戻った時にゲートが開いたために立ち遅れた。すぐにリカバーしてグランアレグリアとインディチャンプの直後につけたが、勝負どころでの反応は一息だった。

直線、ルメール騎手は追い出しを待っているように見えたが、いつものギアチェンジは見られなかった。抜け出したグランアレグリアは捕らえられず、何とかインディチャンプをかわして2着を確保するのが精いっぱい。ルメール騎手は「いつもの脚がなかった。今のアーモンドアイは2000mぐらいがベスト。マイルは忙しかった」と振り返った。

国枝調教師は「気持ちが高まってしまうとスタートでタイミングが合わないときがある。うまくグランの後ろに行っているんだけど、インディの外に出そうと思ったのに内に入ろうとしたようだ。この前みたいに伸びる感じがなかった。見た目は何ともなかったけど、やっぱり中2週かなあ。負けるシーンは想像していなかった。何か、夢がしぼんだなあ……」と完敗に落胆していることが電話からも伝わった。

それでも「仕方ない。まあ、秋があるから」と気持ちを切り替えた。芝GⅠ8勝目の新記録は秋に持ち越し。国枝調教師は「これだけの馬をこのまま終わらせるわけにはいかない」と有馬記念直後と同じ言葉で巻き返しを誓った。

勝ったのはグランアレグリア。同じノーザンファームの生産馬でノーザンファーム天栄の調教馬。1歳下の桜花賞馬が女王の野望を打ち砕いた。正攻法で脚をためると爆発的なスピード能力で直線突き放し、桜花賞以来のGⅠ2勝目を挙げた。

池添謙一騎手は芝の塊が直撃して右目を大きく腫らしたが、執念の騎乗でGⅠ馬10頭の豪華メンバーの中でマイルの頂点に立った。アーモンドアイより0秒2速い上がり3F33秒7の切れ味を発揮。池添騎手は「芝の塊が直撃して脳振とうを起こしかけた。見えづらかったが必死で追った。最後は目のことも忘れた。日本一強いと思っているアーモンドアイや素晴らしいメンバーがそろっていたところで勝てた。グランアレグリアの価値を上げることができてうれしい」と胸を張った。

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