仕事がつらい人が「今この瞬間」に集中すべき訳 マインドフルネスの「科学的」な根拠

東洋経済オンライン / 2020年6月18日 9時50分

AIの時代が到来すれば、計算や分析などの論理的思考、いわゆるIQの部分は代替されます。AIが代替不可能なスキルとして人間に残されるのは、人間の複雑な感情を理解する力であるEIです。EIを強化し高めることは、今後、ビジネスパーソンの必須事項になると考えられています。

事実、2016年にダボス会議で発表された「第4次産業革命時代に必要なスキル、トップ10」には、EIが新たにランクインしているのです。

私たちはこのEIのスキルを高めるための教育を、学校や研修ではほとんど受けてきていません。

しかし、マインドフルネスの状態を維持するための適切な実践を積んで、脳の「前頭前野」「前帯状皮質」などが活性化すると、自分や他者の感情を理解する力が高まることや、自己抑制力が高まって感情のコントロールができるようになることがわかってきたのです。

■感情や思考を最適化する

マインドフルネスによって生まれる、ビジネス分野での効果をまとめると、次のようになります。

・注意力・集中力が高まる
・感情のマネジメント力が高まる
・自己認識力が高まる
・創造力が高まる
・ストレスが改善され、レジリエンス(回復力)が高まる
・リーダーシップが向上する
・無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)に気づきやすくなる
・アンガーマネジメント(怒りをコントロールするスキル)の質が高まる
・コミュニケーションが円滑になる
・EI(Emotional Intelligence:感情知性、心の知能)が高まる  など

ビジネスパーソンの皆さんは、これまで、時間管理、タスク管理、人材管理、戦略策定、チームビルディングなど、ビジネス・スキルの開発を行ってきたのではないでしょうか。あるいは、コミュニケーション・スキルを磨いたり、ロジカル・シンキングを極めたり、ITシステムの構築、プログラミングの習得、マーケティング・スキルなどを身に付けた方もいるでしょう。

こうしたスキルは、PCに例えるなら、それぞれの作業目的に個別に対応するアプリケーションです。確かに、それらを身に付けることで仕事の効率は高まります。

しかし、どんなにすばらしいアプリを導入しても、アプリが搭載されているOS(基本ソフト)が最適化されていなければ、うまく作動しません。

それと同じように、私たち自身の感情や思考が最適化されず、ストレスでイライラして感情が乱れていたり、多すぎるタスクのために思考が散漫になったりすると、身に付けたビジネス・スキルをうまく発揮できません。アプリケーションがうまく作動するかどうかは、実はOSの状態にかかっているのです。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング