渋谷で物件価格2000万円台「目利きのお家」事情 「購入は時代より自分のタイミングが大切」

東洋経済オンライン / 2020年6月20日 7時20分

“玄人的”な物件の購入に踏み出したのは、仕事上の経験だけでなく、今までの個人的な不動産売買の成功体験も背景にある。35歳という若さにして、今の部屋を購入するまでに2戸の持ち家(マンション)に移り住み、売却で利益を出した。

「特に1つ前に住んでいた吉祥寺のマンションは、購入時から値上がりしましたね。購入したのが東日本大震災後の2012年。当時は誰もが耐震基準に敏感だったので、築50年程の築古の物件は全体的に人気がなかった。だから人気の吉祥寺で、井の頭公園に隣接している好立地でも、お買い得だったんです。

私自身は購入時に不安はまったくなかったです。マンションが耐震診断を行っていたときの資料で、手計算で綿密に耐震強度を計算してあったデータに目を通しました。その結果『これなら大丈夫』と判断し購入。

今ではビンテージマンションとしてブランド価値のある物件になっています。購入時に施したリノベーションも好評で、それが売値にも反映されました。結果的に手元にお金も残り、それがこの部屋を買うための資金になりました」(伊勢谷さん)

実は伊勢谷さんは慶應大学環境情報学部で、建築について学んでいる。建物の構造について理解があることも、購入に踏み切れた理由だろう。震災後は誰もが耐震基準に対して過敏になっており、良物件でも築古というだけで敬遠されていた。人々の購入熱が下がり、値がこなれたときこそ購入のチャンスになる。27歳にして、伊勢谷さんは先を見越した不動産購入をしたわけだ。

しかし伊勢谷さん個人は、購入する際に時代性よりも大切なものがあるという。

「今の家を購入した2017年当時、都内の不動産価格は高止まりしていました。購入に最良の時期ではなかったかもしれませんが、後悔はしていません。いい物件は、いつの時代でもいいものですし、不動産を手にするにあたっては、時代よりも自分自身のタイミングが大切だと考えています。

私がこの物件を購入したのは、現在携わっているサービスを立ち上げ、がむしゃらに働いていた時期でもありました。私個人も人生に対して攻めの気持ちを持ちたかったのです。だから、渋谷。そこで買える理想の家……と逆算して今の選択があります。月々支払っている金額は、住宅ローンに管理費修繕積立金などの諸経費を合わせても8万円台。その価格で賃貸を選んだら、渋谷では極狭の部屋になると思いますよ(笑)」(伊勢谷さん)

■借地を不安に思う人も多い

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