「東京で働く」しか頭にない人が気づかない視点 新常態とテクノロジーの進化が地方に活路を開く

東洋経済オンライン / 2020年7月2日 10時10分

東京の危うさと地方の魅力がコロナで浮き彫りになってきた(写真:AzmanL/iStock)

政府が旗を振れども、なかなか前に進まない「地方創生」。ところが、コンサルティング大手、アクセンチュアの江川昌史社長は、近著『デジタル×地方が牽引する 2030年日本の針路』(藤井篤之氏との共著)のなかで、コロナ禍の経験を経て、人口減少と高齢化に苦しんでいる地方部に「一筋の光明が差している」と指摘する。

ポスト・コロナの時代に、地方創生のあり方にどんな変化があり、地方はそのチャンスをどう生かしたらいいのか、この本から抜粋・再編集し、2回にわたってお届けする。

■意外に高い若者の「地方移住」への興味

地方創生が、日本の抱える社会課題への解決策として全国民の重大な関心事となり、地方や国、また民間が一体となって懸命にさまざまな政策や対策を進めている。しかし、現在のところ、日本の人口動態、とくに少子高齢化の進展度合いや、東京をはじめとする首都圏一極集中の状況はほとんど改善されておらず、さまざまな統計指標から関連する数字を拾ってみると、状況はむしろ悪い方向に推移している。

日本全体を俯瞰すると、総人口は右肩下がりで減り続けているが、東京を中心とする都市部の人口はむしろ増えており、そのぶん地方では急激な人口減少に歯止めがかからないというわけだ。人口規模が一定を下回った場合、都市自体が存続できなくなる恐れがあると指摘されている。

こうした現状に直面すると暗澹(あんたん)たる気持ちになるが、一方で「希望の光」もある。

それは、従来とは異なる新しい価値観の登場である。ひと昔前の世代にはなかった「新しい生き方」の模索が、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)を重視する「新しい価値観」を生み出している。若い世代やアクティブシニア層を中心に、この国の未来にとって見逃すことのできない重要な変化の兆しだ。

若者の中には、地方生活に関心を抱き、実際に移住する人が増え始めている。次ページの図は、地方移住に関心のある人の割合を示す調査だ。3大都市圏の若年層を中心に、地方移住に関心を持つ層は意外と多いことがわかる。例えば、3大都市圏の20代では24.8%(約4分の1)の人が地方移住の推進に興味があると答えている。

(外部配信先では図を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

さらに、ふるさと回帰支援センターへの来訪者、もしくは問い合わせする人の数も年々増えている。ふるさと回帰支援センターは、地方暮らしやIターン、Jターン、Uターンの支援、あるいは、その他地域交流を深める人の支援を行っているNPO法人である。

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