社長が語る、乗客激減「いすみ鉄道」の生きる道 新型コロナで利用者は減ったが希望もある

東洋経済オンライン / 2020年7月4日 7時10分

いすみ鉄道の現状はどうなっているのか(筆者撮影)

新型コロナウイルスは鉄道にも大きな影響を与えている。特に地方鉄道は観光列車運行を休止し、定期外旅客が激減した。イベントも大半が中止となっている。

千葉県は緊急事態宣言が最も長く発令された地域の1つで、大きな影響を受けている。地方鉄道の現状を伝えるべく、千葉県を走る第3セクター鉄道・いすみ鉄道の古竹孝一社長に話を聞いた。

■利用状況は10分の1に激減

――新型コロナは、利用状況にどのような影響を与えましたか?

沿線の学校休校の影響を受けました。また観光もストップしました。影響は相当なものです。普段の利用が10だとしたら、1くらいです。

――緊急事態宣言中はどんなお客様がいすみ鉄道を利用していたのですか。

いつも乗っているおばあちゃんだけということもありました。クルマで来てちょっとだけ様子をのぞいて帰るというお客様もいました。ただ、そうしたクルマのお客様の反応を見ると「ここにいすみ鉄道がある」ことが、お客様の認識の中で大きいと感じるのです。

――コロナ禍で気づいたことはありましたか?

ローカル線がどの程度地域の足になっているのか、通学と観光の比重がどれだけ高いのかをあらためて実感しました。日常の連続では気づかないことも見えてきました。たとえば、平日と土休日に出社する社員数の比率はこのままでいいのかなどです。

今までも台風の被害はありましたが、それまでしてきたことを「これでいいの?」と見直すことはありませんでした。新型コロナは「今までと同じやり方」では乗り越えられず、「これからすべきこと」を考えるいい機会になりました。

――社員の仕事や雇用で変わった部分はありますか。

減った仕事もありますが、逆にフェイスブックやツイッターで発信してもらうなど、今までの仕事量が1だとすると、それを頑張って1.2にしましょうと指示しています。

全体の経費としては減らしていますが、集客のキーとなる部分、商品開発につながる仕事は予算を増やしました。今までしてこなかったことについて、社員たちが少しずつ考えて取り組むようにしています。

――地域と鉄道との関係について、どう考えますか。

沿線地域の力を引き出す魅力のシンボルが鉄道ですから、社員には「社長をうまく使ってください」、地域には「いすみ鉄道をうまく使ってください」と言っています。地域を無視した施策は長続きしません。地域との協力は不可欠です。

――地域キャラクターのヘッドマークを車両に掲げるなど、1つひとつの地域の観光情報を重点的に掲示していますね。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング