「秋に解散」を振り回す麻生副総理のある思惑 キングメーカー狙いか、首相への援護射撃か

東洋経済オンライン / 2020年7月4日 7時0分

安倍晋三首相(左)を支える麻生太郎副総理(右)の存在感が増している(撮影:つのだよしお/アフロ)

コロナ国会では、あまり存在が目立たなかった麻生太郎副総理兼財務相が、ここにきて永田町を騒がせている。

安倍晋三首相と6月だけで8回も会談した麻生氏が、同月29日に公明党の斉藤鉄夫幹事長に「秋に解散をやるべきだ」と持ち掛けるなど、「政局の仕掛け人」として動き出したからだ。

安倍首相の盟友で後見人も自任する麻生氏だけに、政界では「首相と打ち合わせたうえでの動き」(閣僚経験者)との見方も多く、与野党を問わずに解散風に身構える。ここにきて東京を中心に新型コロナ第2波の不安も急拡大しており、石破茂元幹事長が「この状況で(解散は)やるべきではない」と発言するなど、与党内には秋解散反対の声も広がっている。

■秋解散への地ならしか

安倍首相自身は解散について「やれるときにやる。その時期は神のみぞ知る」と漏らしたとされる。麻生氏との会談と並行して、安倍首相は連日、与党幹部らとの会談も続けており、「秋解散への地ならし」(自民幹部)との指摘もある。

麻生氏が「解散するなら秋しかないと進言した」(側近)のは、安倍首相の求心力回復への援護射撃ともみえる。その一方で、細田派に次ぐ党内第2勢力の麻生派の領袖として、本格化しつつあるポスト安倍レースでの「キングメーカー狙い」との見方も出る。

麻生氏の唱える秋解散説には、さまざまな政治的要素が絡む。現在の衆院議員の任期は2021年10月満了で、2020年10月で前回衆院選から3年となり、「平均2年半」とされる衆院選の間隔をすでに上回っている。

しかも、任期満了直前の2021年9月末には安倍首相の自民党総裁としての任期が切れる。コロナ禍での経済対策や東京五輪開催を前提に政治日程を予測すると、政界では「次期衆院選のタイミングは『年内』か『来秋』の2択」(自民長老)との見方が支配的となる。

このうち「来秋」は事実上の任期満了選挙となる可能性が高く、政治的には安倍首相による解散権行使との意味合いは消え、政局運営の武器とはなりそうもない。だからこそ麻生氏は「解散するなら秋しかない」と首相の背中を押すのだ。

夏以降に予想される内外の政治日程も麻生氏の主張を裏付ける。アメリカが議長となるG7サミットは8月末が想定され。安倍首相の盟友・トランプ大統領の再選がかかる大統領選は11月3日だ。さらに、国際オリンピック委員会が東京五輪開催の可否について検討を本格化させるのも10月ごろとみられている。

■解散説の原因となった「3A1S」会談

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