テスラの株価もマスク氏の報酬も超バブルだ 時価総額はトヨタ超、マスク氏報酬は6兆へ?

東洋経済オンライン / 2020年7月7日 8時0分

そうであれば、そのブランドになりたい、そのようなブランドを作りたい、と誰もが思うであろう。もしコストは低く、販売価格がべらぼうに高ければ、楽に儲かって仕方がない。

実際、ファッションブランドはほとんどがそうだ。もともとアパレルの粗利はものすごく高く、販売価格に対する小売店の仕入れ値は、物にもよるが著しく低い。例えば「バーゲンで7割引!」という商品をネットで見つけても、実際売るほうは、売れれば「ぼろ儲け」という場合もある。

工業製品でこういうことは、普通はあり得ない。それなりにコストがかかるし、安くできるのであれば、安く作って売るところが出てくるし、テレビなんてどのブランドでも同じだ、パソコンもそうだ、スマホは今後そうなるかもしれない、ということだ。

自動車は、かつてはステイタスブランドの筆頭で、自己表現の手段の最たるものであったのである。

それが廃れてきた。それが「若者がデート用に車を買わない」「高い車が売れない」ということであり、利益率の高い車は、日本で言えば、極端な反しバブル世代以上、中高年が、若いころの夢を実現するために買っているだけとなっているのである。後は、起業家などの成金が異常に高い車を乗り回して喜んでいるような具合だ。

では、そういうフラッシーな人々を嫌悪するサークルに生きている富裕層、ビジネスの成功者は何に乗るか。かつてはカルフォルニアではプリウスだったが、一般的になりすぎて、また安くなりすぎて、それがテスラに取って代わられている。

そういうポジションにテスラはいるのである。

だから、ほかの電気自動車はエコと燃費だけを売りにしているので、しょぼいデザイン、あるいは既存の車のボディに乗せているのに対して、テスラは新しい斬新なデザインで、ほかと区別がつく、街中で誰もが、あれはテスラだ、と認識できるデザインにして、非常に高い価格設定を実現しているのである。

では、これは世界一の生産台数を誇るメーカーになったらどうなるか。

あり得ないことがわかるはずだ。

価格は一般化せざるを得ないし、ステイタスブランドではなくなる。ポルシェよりもフェラーリ、それよりもランボルギーニが意味があるのは、手に入らない、生産台数が限られているからに過ぎない。

テスラも、簡単に作れるものであるのに、テスラという未熟なメーカーが作っているから、なかなか生産台数が増やせない。だからこそ、ステイタスブランドでいられるのであって、普通に効率的に生産できれば、ステイタスではなくなるから、激しい値崩れを起こすであろう。そうでなければ、台数は売れないし、そうなれば、利益率は下がり、普通の生産台数の少ない自動車メーカーになるだろう。

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