和歌山の「オンライン宿泊」がウケている理由 1泊1000円「予約がとれない宿」になっている

東洋経済オンライン / 2020年7月11日 7時10分

イベントは音楽のほかにもいろいろあり、例えば「ステラリウム」という天体を表示するソフトウェアを用いた「星空案内」は非常に好評だったという。これも平時、実際に星空ガイドを仕事にしている人に協力してもらった。

このように、結論としてオンライン宿泊は、リアルに似せようという発想はそもそもない、まったく新しい価値の提供であり、しかも細部までよく工夫されたインタラクティブ・エンターテインメントだということがわかった。

旅には、新しい人との出会いや新しい体験といった、ドキドキする「刺激」の要素と、土地の産物を味わいのんびりくつろぐ「リラックス」の要素がある。オンライン宿泊は、その前者を取り出したサービスと言えるのではないか。

筆者はその夜、高まった緊張のゆえか、眠りに就きにくくなってしまった。

■「オンラインサービス」に必要なテクニック

レジャーなどに出かけにくい今の時期、こうした体験を求めている人は多いだろう。ほかのゲストハウス取り入れたいと考えるところが増えているのもうなずける。ただし、一筋縄ではいかないことが予測される。まずは、多彩なアプリを駆使し、スムーズにオンラインでのおもてなしをするためには、高度なテクニックが必要となる。また、オンラインでの人あしらい、コミュニケーションには、オフラインとはまた異なる要素が必要になりそうだ。

「オンライン市場はできたばかりで、テクニックを知らない人が多い。このビジネスで経験値を積むことができたのは私にとって大きなメリットでした。リアル宿泊休業中も副業と言えるものはしていませんが、一度、『オンラインアドバイザー』として、地元のイベントに協力したことがあります」(後呂氏)

7月1日からリアルでの宿泊も受け付けており、すでにオンライン宿泊をした人も訪問しているそうだ。今後もリアルとオンラインの双方を稼働する。実際に宿泊している人と、オンラインで宿泊する人の出会いなども生まれる。

旅、宿泊、人の出会い方にさまざまな新しい形をもたらすと思えるこのサービス、実はたくさんの新しいビジネスの萌芽を含んでいる。さまざまな業界において、ヒントになりそうだ。

圓岡 志麻:フリーライター

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング