「日本製品」が海外で売れなくなった根本原因 中国に一度敗れた「メイド・イン・ジャパン」

東洋経済オンライン / 2020年7月13日 10時5分

開発・プロモーション・販売も前例に基づき、慎重に、長い時間と労力をかけて完璧なプランで新商品をリリースしようとする。緻密なプランがあるがゆえに、最初の市場の反応が良くても悪くても、それが予想と異なっていたときにすばやい軌道修正を行うことは難しくなる。

このように、おもしろいが危うく伸びそうな「価値の枝葉」を早期に取り除き、じっくり時間をかけて、きれいで小さなプロダクトへ磨き上げるのが日本の得意とする「減点型の完璧主義」だ。ここでは、完璧に完成された1つのプロダクトをつくって、広めることがビジネスのゴールとなる。これはかつてのメイド・イン・ジャパンを支えた強みだが、近年における世界のトレンドからは逆行するものになってしまった。

■世界のトレンドは「加点型の完璧主義」

いま世界で勝ち上がっているのは、「加点型の完璧主義」だ。こちらでは、おもしろいアイデアが出てきたら、できる限り早くMVP(Minimum Viable Product)に仕上げてリリースする。

MVPとは、「最低限の価値を持った商品」を意味する。それを一度リリースしてみて、まずは市場の反応を見る。そして販売と並行して、市場の反応がよかった要素をさらに伸ばし、悪かった要素は優先的に改善してバージョンアップしていく。このサイクルをライバルよりも高速で実現できるか否かが、勝負を分ける。だからシリコンバレーでは、「最初のプロダクトが恥ずかしいものでないなら、それはリリースが遅すぎた証拠」とまで言われる。

実際、1995年にリリースされたAmazonの初期ホームページも、2007年の初期iPhoneも、いずれも粗削りだった。だが、MVPを市場に出してニーズを検証し、急速に水準を向上させ、ともに破壊的なイノベーションになったことは周知のとおりだ。

「加点型の完璧主義」では、尖ったアイデアを加点で評価し、その枝葉を活かしてプロダクトの価値を最大限に高めることを目指す。まず、尖った要素を完璧に仕上げる理想形の「加点型の長期目標」が設定される。この長期目標は、プロセスに応じて、修正・更新ができるものだ。

それとは別に、短サイクルで回す短期目標も設けられ、これに基づき、いち早くMVPをリリースしていく。そうして、市場の反応に対して迅速・柔軟に軌道修正を行いつつ、バージョンアップを重ねる。あるいは、初期の反応が悪ければMVPの段階で撤退することもできる。この段階ならばダメージは比較的小さく、手を引きやすい。「最も効果的な市場調査とは、実際にリリースしてみること」というわけだ。

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